第7話 始まり

柏木が家に来てからちょうど1月が経った...

 廉「柏木、1月経ったけど、どうするんだ?月に戻らなくていいのか?」

 柏木「実はな...月に1度報告に戻ろうと思っていたんだが気づいてしまったんだ...帰る方法がないということにな」

 雪野「ポンコツじゃん!」

 柏木「月に帰る魔法があるのだが地球の魔力がこんなにも少ないと思っていなかったんだ…」

 廉「学校に入るために使い切ったのは想定外だったのか?」

柏木「うむ」

 廉(だからあんなに軽々しく使ったのか...)

 柏木「すまない帰ることができるようになるまではここにすませてくれないか?」

 廉「分かった、母さんには上手いこと言っとくよ」

 柏木「お前が地球人は親切で助かるな」

 雪野「...で!帰る方法の見当はついてるの?」

 柏木「先日、本で読んだのだが地球には妖刀や神器なるものがあるらしいじゃないか。それらから魔力をいただこうかと思っている」

 廉「...そんなことが出来るのか?」

 柏木「基本的に不思議な力が備わっているものは月では魔道具と呼ばれている。それらに近づくことで、私たちは魔力を与えたり奪ったりすることが出来るんだ」

 廉「魔法って月だけの技術じゃなかったのか?」

 柏木「実は魔力の成り立ちはよく分かってないんだ。神が与えたものとも言われるし、強い感情によって生まれるとも言われている」

 廉「生まれる条件は月だけに当てはまるわけじゃ無いって事だな」

 柏木「だからこそ、地球の魔力がこんなにも少ないのかが分からんのだ」

 雪野「なるほどね...それで?その魔道具は何個集めればいいの?」

 柏木「おおよそ50個だな」

 雪野「多すぎでしょ!!!」

 柏木「そこでお前たちに提案なんだが、費用は全額私が持つから夏休みに魔道具を巡る旅に出ないか?せっかく2ヶ月もあるんだから色んな風景を見れて楽しいだろう」

 雪野「行こう!絶対楽しいよ!廉!」

 廉「そうだな、せっかく写真部にも入ったし柏木を1人で行かせる訳にもいかないからな」

 柏木「そんなよに食いついてくれるとは思わなかったな」

 雪野「丁度何するか考えてたんだよね〜」

 柏木「そうと決まれば、夏休みまで私が計画を立てておこう、魔道具がどこにあるかも調べなければならないしな」

 雪野「じゃあ、私たちは楽しみに待ってるね!」

 柏木「ああ、お前たちが楽しめてかつしっかり魔力の収集ができるプランを考えておこう」

 廉「頼んだ」

 柏木「それと、関係ないんだが地球でイベントがある時は、私に教えてくれ、帰るまではしっかり調査しておかなければならないからな」

 廉「分かった」

 柏木「私が月に帰るまでの間改めてよろしく頼む」

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