第3話 かつてない討伐報告

「嘘だろ…」

「本当に王都に着きやがった」


「テレウサちゃんありがとう!」

「むー」

テレウサちゃんは相変わらず照れている。可愛いやつだ。


「スーは私達を案内してね」

「わかった」


早く着いて嬉しいはずなのに、ご主人様が凄すぎて複雑な気持ちになる勇者と魔王。

エリからしたらいつものことなので、何も驚いていない。


「なぁ、あいつら今どこから出てきたんだ?」

「さぁ、スキルテレポートでも持ってるんじゃないか?」

「そんなレジェンドスキル、魔王以外が持ってるわけないだろ」

「冗談で言っただけじゃん」


◆◇


「ここが城だ」

「大きい!ここ私の家にしようかな」

「え?マジでいってる?ワンチャンできそうだから怖いわ」

「それなー王様を召喚獣にするとかやりかねないからなー」

勇者と魔王が若干仲良くなりつつある。そんなたわいもない会話をして正門までくると。


「何者だ!って!?勇者様!?無事だったんですか!?それに後ろの2人は?」

「深呼吸して聞けよ?魔王と魔王を従えている者だ」

「え?魔王って少女だったんですか?それならこの強そうなツノのお兄さんが倒せるのも納得…」

何やら誤解している門番


「違う違う、逆だって!この少女が、魔王をペットにしたの!」

「またまた、相変わらずご冗談が好きですねぇ…ま、入っても大丈夫でしょう」

「なんだよ『ま、入っても大丈夫でしょう』って。もうちょっとしっかり門番しろよ」


なんだかんだ城に入れた3人は、メイドや執事にジロジロ見られながら王室に向かった。


コンコンコン

「勇者スーです」

「おぉ、無事じゃったか、入っていいぞ」


ガチャ


「こんにちは!紹介します!こっちが魔王で、こっちが魔王をペットにした者です」


かつて聞いたことのないパワーワードに戸惑いながらも、またいつもの冗談かと胸を撫で下ろす。

「はっはっは、王室に漫才をしにくるのももう慣れたわい」

「いや、本当に魔王なんです…ほら、なんかやって!」


すると魔王城龍鬼は亜空間から剣を取り出し空間を切り裂き、その狭間に入ると王の目の前から姿を現した。


「これは!レジェンドスキル…本物の魔王なのか!まさか!和解に成功したと言うのか!?」

「違います、この子のペットになったのです。その代償として私もこの子のペットになってしまいました…」


なんか召喚獣にされた。じゃ格好がつかないので、身を犠牲にし、代償として魔王を手懐けたと言うふうに印象を操作した勇者スー。


「そうじゃったか…その少女が…いや納得できるかい!意味わからんわい!何故少女が魔王をペットにできるんじゃ!!取り敢えず世界が平和になった事を世界に公表しよう。魔王城龍鬼は倒された。それでいいな!」


全員頷いた。


「用件は済んだか、さ、仲間のもとに行ってやれ」

「はい。失礼しました」


「困ったのぉ…勇者と魔王を自在に操ることができるとかもう世界1の恐怖じゃよ…」

国王はもはや魔王よりも少女の方に恐れをなしていた。


「今から勇者パーティーの住処に行くけどいいか?」

「見て見たい!」

「魔王が勇者パーティーの根城に行くのは前代未聞だな」


◆◇


コンコンコン


「勇者スーだ!」


ガチャ


「スー!!生きてたのね!!」

「あぁ、お前らも生きててよかったよ」

「勇者スー!!」


感動的だ。この出会いは少女アクティーフの力がなければ無かったかもしれない。召喚したおかげで生き残れた。ま、召喚獣にされてしまってはいるが。


何かを思いついた様なアクティーフは部屋に入り、こう唱えるのだった。


「私のペットになりたまえ『範囲フェアトラーク』」


「まてええええええええ!それだけはするなああああああああ」

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最強『召喚術師』少女は勇者と魔王をペットにする!! 〜この少女は何者だよ!勇者と魔王を従えて…まるでこの世界の支配者だな〜 @simassima

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