第30話 銃殺刑?

ゼークトって人知ってる?


とある国の軍人。


わたしが知っているくらいだから、きっと有名な人なんだろうと思う。


彼の言葉に、こんな表現がある。





「無能な働き者は銃殺刑にするしかない」


 ハンス・フォン・ゼークト - Wikipedia



  


無自覚に無能な働き者は、良かれと思って勝手に動いてどんどん問題を引き起こすので、放っておくだけで被害がどんどん拡がるから、集団にそういう人がいたら銃殺刑にしちゃったほうがいいよ、だってさ。


この言葉は端的に組織コントロールのコツを表現しているっぽい?





でもこの言葉、どれ程真実なのか。





軍隊でいえば、士官クラスの人間にとってこの言葉は意味を持つかも。


ある程度の影響力を持ってて、裁量権もあろうから。





複数人の行動をコントロールするコトが求められているなら、それが3人でも300人でもゼークトの言葉は胸と膝を打つよね。





でも当たり前の話、数が一番多いのは下っ端の兵士でしょ。


管理される側の人間よりも管理する側の人間が多い、なんてコトはないよね。


で、他人をコントロールする必要がない下っ端兵士にとってはゼークトの言葉なんか意味を持たないんじゃないかな。





自分がどの部隊に配属されるのかとか、どんな武器を与えられるのかとか、戦地は何処なのかとか、作戦の目標は何なのかとかとかとかあるけど、生き残る為に考えるコト以上に重要なコトなんてないはず。





これは会社組織にも当てはまると思う。





多くの会社で人数が一番多いのは下級社員(わたしのような)。


一番数が少ないのは役員。


下級社員は自分の作業をいかに減らすか、給与はいついくら上がるのか、上司に気に入られているのかとかとかとか、気にしなくちゃならないコトが日々満載(わたしは作業だけは減らしたい)。





ゼークトのいっているようなコトなんかマジどうでもいい。





一番多い人間が考えているコト、考えていないコト、はどういう意味を持つのかっていえば、それは最大公約数的回答ってコトだよね。


数的優位に立った時点でそれはスタンダードの可能性をも獲得しちゃう。





あとは。





一番数が多い下級兵士、下級社員達がそのコトに気が付くかどうか、だけ。


そのコトに気が付いていない間は事実として数的優位に立っているだけで、機能はしないのよね。


バグズライフってそんな話だったような気がする。





あなたが管理者なら、無能な働き者を徹底的に銃殺刑にしていくといい。


あなたが下級社員なら、銃殺刑にされないように怠け者になるか、万が一の可能性にかけて無謀な努力をしてみるしかない。





わたしは下級社員で後者を選んでる。


---

つづく

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る