次はカラオケ!
ボウリングを終え美味しく昼食もいただいた俺たちは次の目的であるカラオケに向かう。
「それにしても惜しかったな〜もう少しで達也たちに勝てたのに」
「綾にあの最後の一球を決められちゃったらね〜」
優と長谷川は未だに悔しそうにしている。
俺と榎本が特別負けず嫌いだと思ってたけど二人も対して変わらないらしい。
「綾ってば決めた後すぐに笑顔で小泉くんとハイタッチしてたもんね。やっぱり決められたのは愛の力のおかげかな?」
「そ、そんなんじゃないよ。同じチームだからそうしただけだよ」
「え〜本当かな〜」
「本当だよ!」
おーいそんなに必死に否定していると余計疑われるだけだぞー
俺はまぁ……仲良くなったと思ってたらそうでもなかった経験があるから勘違いのしようもないけれど。
そんなこんなでカラオケに到着。
今回は二時間コースを選択し部屋に移動する。
俺はボウリングより歌の方が得意ではないからカラオケはより重点的に特訓してきた。
榎本たちが何をリクエストしても応えられるよう有名なJ−popはもちろん普段絶対に聞かないであろうアニソンや演歌すらも頭に入れてきた。
もはやボウリングよりも自信があると言っても過言ではない。
「よーし誰から歌う?」
「じゃあ俺からいくよ」
誰もいなかったら俺がやろうと思ったけど優が挙手したので譲った。
優はボウリングと同じく女子と来ることが多いのか歌がうまい。
長谷川は俺が様々な曲を頭に入れてきたというのを聞いて面白がって誰も知らないようなマイナーな曲をリクエストしてきたがその曲も一応頭に入っていたので歌ったら長谷川と優は大爆笑し榎本は驚いてくれた。
場が盛り上がったし練習してきてよかった……
「あははは!小泉くん何でも歌えるじゃん!」
「お前面白すぎだろ……!あーもっとお前とカラオケ行っとけばよかったわ」
「そりゃあ残念だったな」
もっとも優とカラオケに行くとしても絶対に練習なんてしなかったであろうけど。
その後も順番で歌っていき榎本と長谷川はよくカラオケに来ていたみたいで特に緊張なんてなく普通に歌っていた。
榎本の声って透き通っていて話しているときれいに聞こえるけど歌うとより
良さが伝わってくるんだよなぁ。
「みんなの喉も温まってきたみたいだしデュエットしない?」
「いいね。誰と組むかは順番で全員組めばいいよね?」
長谷川の提案に俺が同意し総当たりのデュエットが始まる。
俺はなんの曲でも歌えるからという理由で基本的に相方が知っている曲で歌っていく。
榎本は自分に合わせてもらうのを申し訳無さそうにしていたけど俺が気にしなくていいと伝え納得してもらった。
そうやって盛り上がっていったんだけど一つだけものすごいペアがあった。
「それにしても二人のデュエットはすごかったな」
「まぁね!私と綾はよくデュエットしてるし!」
何を隠そう長谷川&榎本コンビである。
いやー何がすごいかって息はものすごいあってるのは当然として他の要素もすごかった。
選曲は人数が多い某アイドルの曲だったんだけど長谷川が恥ずかしがる榎本を説得してなんとダンスまでしてたんだよね。
恥ずかしがる美少女が明るい美少女と共に可愛らしいダンスを歌いながら踊ってるんだよ?
喜ばない男子はいなくない?
恥ずかしがりながら踊る榎本を見ていたら今日で人生終わるんじゃないかと本気で思った。
そうして夢中で騒いでいたら二時間はあっという間に過ぎていった。
「今日は楽しかったね〜」
「うぅ……もう二度とあんなことしません」
「えー綾すっごく可愛かったよ!小泉くんもそう思うでしょ?」
「ああ、とても可愛かったと思うぞ」
なぜ俺に振るんだと思いつつ可愛かったのは事実なのでとりあえず肯定しておく。
「だって!よかったね」
「なんと言われようともうやりません」
でもあれだけ踊れたってことは長谷川と榎本でカラオケに行ってるときは多分いつも踊ってるんだろうな。
その光景を想像すると思わず笑いが込み上げてきてしまう。
「みんな今日はだいぶお金使っちゃっただろうししばらくお昼ごはん一緒に食べるくらいにしない?というか私のお金が無くなってきちゃったからせめて来月まではそうして欲しいかな」
「それでいいよ。そうなると体育祭が終わった頃くらいかな?」
天堂高校は毎年6月始めに体育祭がある。
再びプライベートで集まるとすればそのタイミングだろう。
「じゃあ次は体育祭の打ち上げをやろう!それまで節約だ〜!」
今日はボウリングにカラオケと本当に楽しい一日だった。
……………榎本のダンスまた見たいな。
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