ハイエルフ?
「・・・」
「口がきけないのかしら。・・・ああ、コトバを教わっていないのね」
ひょっとして、この女・・・あたしと同じなのか?
ウェイトレスの少女は、見た感じなりの手触り()だったし、こいつもゴッド属性()の強さを持っているのかもしれない。
ゴブレットを置き、いまだ絶賛あたしを罵倒中のエルフに向かって机に身を乗り出し、手を伸ばす・・・
届かないので、テーブルの上を這いずり、女の首に手を伸ばす。
エルフ女はニヤついた顔で立てた指をくるっと回しこちらに向ける。
光り輝くいばらのツタがあたしにからまる。
・・・が、拘束されるどころかなんの痛痒も感じない・・・ハズレじゃん。
あたしは慎重に彼女の細首を柔らかく掴んでみる。
感触がほんと弱いから調整むずいんだよな~、もっと酔ってたらほんと屍体量産マシーンになっちゃうよきっと・・・。
エルフ女の顔が真っ赤に膨れ上がり、あたしの手を掴んだり腰から抜いた短剣で目に突きこんで(火花が眩しくて手がちょっと絞まった)きたりし始めたのを確認し、綿をつまむくらいに力を抜き、引っ張りながらズリズリと椅子へ戻る。
テーブルの上で暴れるエルフの首を軽く押し付け、空いた手で指し、言った。
「おい、そこのおっさん。このガキ犯していいよ」
テーブルの上で尻上げてアタマ抜こうとバタバタしてるエルフのスカートん中ガン見してるブクブクに膨らんだTHE!て定冠詞がついちゃうような中年男性に声を掛ける。
「え、まz・・・」
中年男性がどっかに吹き飛ばされ、ゴリラみたいな男が出現した。
「俺が先だッ!」
「どんぞー」
「くっ、殺しなさい!私はハイエルフの姫・・・ぎっ、やめ・・・!」
くっコロのみならず姫プまでシチュエーション官能を貪ろうてか・・・業深き奴よ。
めたくそ興奮したのか、ゴリラは目の前のエルフの脚三本分くらいありそう(マジか?!)な黒い肉棒をギンギンにおったてると、しかるべき行為へと及んだ。
びちびちと肉が裂ける音と共に上がる心地よくか細い悲鳴を愉しみながら、杯を傾ける。
ゴキリ、となんかが割れる音に続いてエルフ女の絶叫。
「お客さん困ります!」
肉をぐっちゃぐっちゃと抉る音をBGMに、女の子が走ってくる。
ウェイトレス女子は絶賛高速ピストン中の男ではなくあたしに苦情を入れてきた。
「すぐに仕舞ってください!」
何処にですか・・・
あたしは腕を組み、少女の瞳へと眼差しを決し答えた。
「・・・あの、お金でなんとかなりません?」
まぁ食い物屋だしな・・・フツーに交尾とか始めたら殺されそうだし、それなりの代金の支払いを提案してみる。
ウェイトレスちゃんの眉が八の字へ下がった。
「はぁ~、この場を仕切らせてもらえるならタダでいいですけど」
仕切る?
ゴリラの後ろを見ると、乱闘が始まっていた。
ああ、順番を・・・ああ、ああ。なるほど。
「あ、じゃあそれでお願いします」
テーブルに押し付けてるエルフの顔を見ると、横隔膜の痙攣でか泡を吹きながら喘いでいる。
とりあえず腕を後ろ手にしばり・・・縛るモノ・・・あ、これでいいか。
さっき隣の男が曲げた剣の刃を入念に潰してエルフの手と首に巻きつけ、テーブルに打ち留める。
建屋全体を激震させるほどの絶叫で果てたゴリラは、目の前で上や下や別の口からいろいろを噴射()し痙攣するエルフを前に正気を取り戻したのか、ガチガチを歯を鳴らして震え始めたが、ウェイトレスにつつかれ三言ほど話すと喜色満面になり金貨を三枚渡して去っていった。
「え?このエルフ女てやばいやつなの?」
「んー・・・まぁ、面倒だな・・くらいかな。つか俺らと潜ろうぜ、なあ」
よこの渋イケオジが潜ろう潜ろうと謎の誘いをかけてくる。
「おい!さっきのゴリラでガバガバになっちまってんぞ!」
次のお客様からエル雌の尻穴から出たピンクのモツを千切りながらのお叱りを頂く。
「あーい」
クレーム対応はいりまーす。
治癒魔法を掛け、カオはたいてエルフ女の意識を戻す。
再び、悲鳴、肉を裂く音、骨盤が割れる?音、そして絶叫。
めんどうだな・・・あ、こんな時の為の継続回復だね。
気を失うたびに電撃で覚醒させたりと、精霊言語で条件分岐をいろいろ組んでよい感じに仕上げる。
「・・・で、なんのハナシ?」
「ペドロッキだよ!わかんねーのか?・・・ああ、この街初めてかぁ」
今だ!可愛げに拗ねてみせろ!!
「うん。ほんとにホントだからね?あんときだってホントに道案内・・・」
「このパドヴァにゃあよ、ペドロッキっつー地下迷宮があんだよ」
ちっ、まぁた不発だよ。
話を聞くに、前世で子供がやってたファミコンゲームのような地下に伸びる迷路があるということだ。
めちゃ
なんかテーブル上のエルフの声が雌泣き入ってきてこっちも催してきてしまった。
「あのさ、女の子誘うんだから・・・ちゃんとしてくれるんでしょ?」
ちょっと潤ませた瞳で非難げなニュアンスを込めた視線を送る。
おじは僅かに不可思議だ、といった顔を見せたが直に理解したのか顔を緩く笑ませて言った。
「ああ。五人で相手してやんよ、期待してくれや」
グフフッ・・・
おい、ヨダレを拭けなどといわれつつ一応追加の金貨を二枚テーブルに乗せ店を出た。
大通りから何の気なしに店を振り返ると、むちゃくそ沢山の男が列をなし殺到していた。
大食いイベントでもあんのだろうか・・・もうちょっといればよかったな。
つまらない未練を振り切るように男を向き、その背に続いた。
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