門衛

ちやほやされのぼせ上がる創世記救世主さんを眺めながら周囲の高レベルお姉さま方とダベる。


街の汚臭はやっぱそういうものらしく、草花の汁をしみ込ませるとか香り袋などでの匂い対策などをご教授頂いた。


遠回しに生理の処理も聞いたのだが、なんと綿があるという。

ただ装着感()や沁みだし、貼りつきかゆみかぶれなどであまり勧められないとのこと。


つかやっぱ布は高いのでボロの襤褸をあてがうことになるっつーから変わらんのでは?


せめて水だけでもジャンジャンつかえたら全然変わるのにな・・・


よし無事侵入できたら井戸を掘ろう。


スラムならいけるやろ・・・


でも綿使い捨てに出来るのに布高いて・・・おかしくね??


あー、でも傷対策で使うだけなのかな。

刀傷閉じんのに傷に詰めて腐れ肉と一緒に掻き出すを繰り返すとかなんかで見た覚えが・・・ひ~~~~!!!そんな用途でなんとなく栽培してんのかもしれんね。



のろのろと列は進み、城門・・・というより、近づいてくるスラムに目を奪われてしまう。


こっちにある、てことは中には無いのか・・・スラム。


「あーあ、おまえら邪魔だからさっさと入れ!」


「でへへ、すまんな!後で紹介するからよ!」


顔パスなのか鈴なりに絡んでいるお姉さまもまとめてご入城なされて行った。


あたしも絡まっときゃよかったわ・・・


門番絡まれイベントかぁ・・・よし、キアイやぞ!

たぶん、怪しい!身体検査だ!て衆目の前でねっとりと辱められた上、奥へ引き立てられスケベな機材での聞き取り調査という名のエロ拷問が始まるのよ・・・うへへ


(なんだコレは?!丸出しじゃないか・・・パンツはどうした、言え!どこへ隠した!!!!!)


(言わない!あたし言わないわ・・・どんなコトされたって、言わないんだからッ!)


前に立ち、門衛の男を見上げる。


男は直立し、敬礼している。


「・・・あの、身体検査とかは?」


「どうぞお通りください!」


「あの、偉い人とかじゃないんだけど」


「お通りください!」


ええ、いいの・・・?後ろのハイレベルお姉さま達を向く。


夫々があたしをスーパーバトルサイボーグのようにサーチし、言った。


「うん、いんじゃない?」


「ほら、通っちゃって早く」


「ええ・・・検査とかいいの?」


「いらないわよ、あんた身ぎれいだし」


「ぱんつ履いてないんだけど・・・」


「その丈でえ?!・・・さっきのイケメンの服屋で買えば?」


「この門の通りをいったとこだから」


「うん、わかった・・・ありがと!」


両の手をフリフリしながら別れた。


同じくみんなも振り返してくる・・・あ、タブーとかじゃなくてよかった。

文化馴染むまでジェスチャーとかやめといた方が無難だよな~。


大体ドコの世界だって国やこんな城壁がありゃ他人と仲良く出来ないようなシステム、てやつを宗教とか使って設定してるもんですしー・・・対立国家で愛してるのハンドサインを流行らせ、自分の国では逆の意味、絶対殺すにする。


当店はそういうシステムです!ズビシャアッ!!!



ちな、無くそうとか統一しようという動きは議論へと持ち込まれ、どっちが正邪の水掛け論を加熱させることにより殺し合いから戦争へと演繹され断絶の憂き目に落ち着く。


オトコ政治ってヤツね。

フェミでもポリコレでもジェンダーでも属性でもなんでもかんでも混沌とした醜悪さへと引きずり込んで忌避感のみを延々と・・・


まあ、オンナ政治でみんなと仲良くくっついて果てしなく腐ってゆくとどーなるのかは大王朝宮廷ロマンをひたすら愉しんでいればどれもこれもが無理やり大戦争で悲恋に〆ていることからも想像はできようというもの。


オトコ政治以上に排斥される人が多いから、順当に増えた脱落者を優れた脳が手早く纏めてハイ次は俺が王様ズビッシャァアアアア!!!!!!!!つまり仲が良い人と悪い人で世の中が二極化するだけなのである。



どっちにしてもそんなすぐ殺し合うクソどもを集め何度も何度も大規模な殺し合いでコケまくりながらも思想を育て技術を伸ばし世界を進め金融という仮想世界でガッチリと全球商取引を纏め上げる・・・


クソッ、前いた世界て最強にチートすぎじゃんよ!

魔法?ナプキンとストッキング作れんのか?地球の裏側のもんもってこれんのか?コンドームは?ピルは??クソでもくらってろ!!!!!



「おーい!なにツカツカ歩いてんだよ!パドヴァの土地勘あんのか?」


はっ!いけない、ぱんつ屋にいかなきゃ。


「お兄さん、ぱんつ・・・じゃなかった、ここらに」


あ、救世主おじじゃん。


「ちょーどよかった、ぱんつ、下着売って!」


「ああ、奥の二階だ。ウチは安いぜ!」


安いぜ、て引き込みあるんだあ。

なんとなくハンドメイドばっかの世界て売り手サイキョーみたいなイメージだったから意外。


勝手に見て買ってけと奥を指され、暖簾をくぐる。


いや、のれんとか掛かって無いけど。


目が暗順応する前に人だけがぼわんと白く浮く久々の謎視界になってギクリとするが、すぐに戻る。


すると様々な色の布であつらえたミニドレスを着た人がお待ちくださいと緩く膝を折り、外へすっとんでった。


「店主!高貴な方が一人で入ってきちゃいましたよ!ちゃんと相手してくださいよ」


「いーんだよ、ぱんつ買いたいつってたから。ほっとけなきゃお前相手しとけ!」


「大声で高貴な方のプライバシーを・・・斬られたら呪いますからね!」


ん?高貴な方なら下々にプライバシーを感じないのでは?

前世だって着替え中に迂闊にも開けっぱカーテンの隙間を虫や小鳥が横切ったからって


「いまの鳥、オスかも・・・絶対殺す!」


とかならんかったし。


身分差とか前世に近い感覚なのかな・・・



「ご案内いたします」


うわー気品ある微笑みとたおやかな応対。

こんな接客受けるなんてセレブになった気分!


「うん。田舎者だから、笑わないでね」


「あなた様を目に嗤える者には永遠の眠りが必要ですわ。さあ、こちらへ」



惚れた・・・お姉さま!!!!!!



その後はお姉さま手ずがらに様々なものを装着頂き、もう全部ください!と叫びたい心を圧し殺してとりあえず絹っぽいのを一枚だけ選ぶ。


「まだ落ち着く場所もわからないの。手持ちしかないけど、ごめんなさいね」


巾着ごと渡す。


どきどき。


お姉さまは差し出した巾着を押頂くように受け、特に中身を確認せずに柔らかく笑んだ。





「是非、またのご利用をお待ち申し上げます」





あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



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この見栄張って全部わたしちゃいましたシーンまるまる他作家様の作品でみた気がしてきた・・・

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