また馬車だよ

戻るのも気拙いのでさらに三日ほどかけ(なんか森に居るとおしゃれなカフェで寛いでる時みたいに時間を忘れる・・・もう出なくていいのでは?)大きく迂回しながら進むと、突然森が開けた。


平原だよヘーゲン。ドイツ語か。


境界はくっきりと、ほんとバッサリ切れてる。


こーゆう草の茂る平原て人工的な伐採や開発抜きでどーやって出来るんかね。

砂漠に雨が降り始めて~って感じ?


まあ平らになっちまえばコッチのもんよ、て俄然張り切って歩き始める。


歩き始めて数秒後。

・・・めたくそつらい。

つーかやたらデコボコしてて歩きにくい。

ふかふかの土に胸のあたりまで埋まっちゃうとこもあったし・・・

下の方は湿ってて、股下泥だらけですわ・・・


まさに泥パンストッキング状態。


やばい住血吸虫みたいな寄生虫にやられてしまうのでは?

いや、ゴッ・・・ハイエルフだし無敵だから大丈夫よねきっと。


全身に塗れた泥が乾き始め、まるでコタツで乾燥してしまったマ・・・ザリガニなんかが腐ってる側溝みたいな匂いがムンムンと鼻に刺さってくる。


ああ、風呂に入りたい・・・文明、はよ文明の光をワレに・・・


なんか虫の羽音や風が薙ぐ草の音ではない、金臭い音に男達の怒号ぽいのが聞こえてきた。


まーた男かよ・・・異世界には男しかいねーのか!

女騎士とか女魔法使いとかお姫様・・・は居たか。


女同士べちゃべちゃダべりたすぎてツラい。


パート仲間全員トラックに突っ込まれてやってこねえかな・・・


女は四十二時間以内に同性脳と三十兆五千億単位下限の量子交換しないと発狂しちゃうんだよ!!!!!!!


寂寥の共振絶叫を上げようとした刹那、絹を引き裂くような女の悲鳴が聞こえた。


思わず


「あ”あ”あ”あ”あ”あ”~~~~~~~~!!!!!!!」


歓喜の絶叫を上げてしまった。


フッ、と男どもの喧騒が消える。


あっちか・・・音が消えると音源がわかるてなんか不思議。


繁みをガサワケして男がウヨウヨしてる只中へサクサク進んでゆく。


ほえほえwhat?,what?~~~??なんのパーティ?続けてていいのよ??んで、かわいい悲鳴上げた女子はどこ???」


ガキンゴキンと剣や槍が突き込まれ体のクサい泥が飛び散ってゆく。

そのまま槍を折るヤツとか失礼にも剣を取り落とし手首を押さえ逃げ出すのもいる。


女に突き挿入れて逃げ出すとかゆるせねえよなぁああああ絶対殺すウ(ォ)ーマン発進www


空気中のイオン分子をイジって導電通路を綿のように伸ばしていく。

乾燥してる時、化繊とかビニール袋てぱちぱちする前にもわもわすんじゃん。


あんなやつをもわわわ~~~んて広げていく。


ちなみに空気中の電子の流れが見えないと見えないと見えないと見えないと見え。


逃げる男も立ち向かってくる漢も青く強い雷光が弾けると共にパン!て鳴って次々と倒れていく。


耳からケムリ出したり真っ黒にコゲて炎吹いてるやつとかいるけど、一応分子回路にイケメンだけは導電収束率を下げろって一次方程式と妖精言語で条件分岐を組んだ(収束=人+notイケメン : if 人=イケメン then 拡散 else 収束)ので安心して全滅させよう。


ちなターゲット関数を指定しないと惑星中の電気が集まってきそうな予感がある・・・こわい!!!ちなちな無理繰むりくり一次元入力してミスると世界・・・宇宙が終わる。


「二次元偉い!数字と言語と音楽は宇宙のセーフティネットだ!!」


ハイテンションで波動賛歌を叫んでしまった。


「来るな!」


馬車に取り付いてるヤツが、女の子ぽいシルエットの人間を盾に叫んでいる。


「行くわww」


「来るな!!」


「イクわwww」


「女の命・・・殺すぞ!」


「逝くわwwwwww」


「助けてくれええええ!!!!!!!」


男の垢じみた太く毛深い腕を掴む。


「いいわよ?」


女の子を引きはがす。


「はぁ、あ、ありがてぇ・・・」


「ウッソーwww」


パリパリパリ・・・・・プシュ~~~・・・


「うわ、グロ・・・」


垢じみた毛深いオジサマが耳から蒸気と一緒になんか吹き出しつつガクガクしながら倒れた。

鶏鍋みたいないいにおいがぷぅ~んとしてきて気持ち悪い・・・そいや転生して十日(感覚的な日経)くらいなんも食ってねーぞどーなってん。


女の子が煮えてる男をこれでもかと足蹴にし始める。


「お父さんの仇だ!その剣貸して」


「え・・・いいケド、あぶないよ」


差し出す間もなくあたしの腰から抜き放ち、男の死体に振り上げる。


あたしは一応、自分にバリヤーを張る。


「死ねー!・・・あちぃいいい!!!」


屍体の腹から香ばしい芳香と共に蒸気だか液体だかがプッシャー!と吹き出す。

マジ煮えてるのか・・・ほんと鍋食いたくなってきた。


「ほらぁ~、ちょっとみせて・・・はい、あなたにキュアキュア~♪」


顔や目玉やらに火傷負ってたのでキュアキュアする。


「ゾンビちゃんありがとう・・・ちっくしょう、この豚歯向かいやがってええええ!!」


あたしの剣で死体をめたくそかき回し始める。


でもお姉ちゃん、なんてこの子若いのに分かってるわね~w

なんて微笑ましがりつつそういや常若エルフじゃったわいと思い出す。


てゆーかあたしの私物で汚いもん(部位)ぐりぐりしないで欲しい・・・



・・・ん?お姉ちゃんとか言ってない?ゾンビちゃん?????



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一次元が有無で二次元が波で三次元が便所四次元が汚濁五次元が地獄

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