第三話:害獣決戦と宴
数週間後、ブランの村の畑に
周りに不用意に置いてある木箱には意を解さず、作物に近づこうとする。
そんな一縄筋では行かない魔物たちの内、
その瞬間、周りの木箱の中からクロスボウや刀、盾を持った村人たちが魔物相手に押し寄せる。その中にブランとハンヌの姿があり、前者は
「射撃部隊! 撃ち方始め!」
「今だ、剣盾部隊! 周りを囲んで盾で押さえろ! そして、盾との間にある血脈を斬り刻め!」
落とし穴にはまった
圧倒的多数の村人で二体を一体ずつ相手した魔物はすぐに敗れ倒れた。
その数日後の夜、村の中心で焚き火が上がり、宴が行われた。
焚き火の周りにあるテーブルには果実や蜜を漬け込み、肉質を柔らかくした
前者二つの肉料理は良しとしても、虫料理だけは流石にどの世界の一般人も馴染めなかった。ある姉妹は除いては、
「おいひい! いのししさんも! からすさんも! むしさんも!」
「でしょ! ステーキはソースをつけなくても甘くて柔らかいし、唐揚げは塩加減塩梅で、肉汁を引き立たせてるし、このカミキリ…幼虫だって、クリーミーで、旨味たっぷりなのよ! でも、何でみんな食べないの?」
そんな二人に村人たちは必死な苦笑いで口元を引き攣らせている。そこにある老婆が咎める。
「馬鹿孫娘! 虫はゴブリンの餌として聖神の教えでは縁起が悪いと、あれ程言っといた筈じゃ!」
「えっ、そうなの!? やばい、どうしよう。口を濯げばいいの?」
「今から、儂がお祓いをする。こっちに来とれ! ハンヌ、お主もじゃ!」
「はっ!? 俺も!? まっ、待てよ、長老!」
「痛い、耳が痛いよお婆ちゃん!」
「マロン! お主はあとでお祓いをするからここで待っとれい! くれぐれも虫を喰うんじゃないぞ!」
「はーい! いってらっしゃーい!」
ブランの耳を引っ張りながら連れている老婆こそがブランやマロンの祖母にして、この村の長老、モンロー・クリケットである。
「たく、俺は虫を喰ってないのに。ブラン、お前が物知りのくせに非常識なのが悪いんだぞ!」
「ごめんなさい。だから、助けて。お婆ちゃんの手から耳を離れさせてよ。」
「お前なぁ…」
ブランとハンヌが会話をしている間にモンローによって彼女の家に連れられ、入ったふたりが見たのはブランとマロンの両親である、父のイルガ・クリケットと母のクリス・クリケット、そして、ハンヌの父である鍛治職人のハンザ・アルブレアがいた。皆、緊迫した顔を浮かべている。
二人は不思議そうに考えつつも、ブランは胸騒ぎがした。
そして。モンローは真剣な眼差しでブランに対し、重い口を開く。
「単刀直入に聞こう、ブランよ。お主に前世の記憶はあるのかえ?」
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