第9話 LINEの既読から言葉は出ない。

今日、僕はLINEのクラスのグループチャットを退会した。

理由は話すこともないのに、馬鹿馬鹿しい話で盛り上がる他のクラスメイトの話に嫌気が差したからだ。

誰が話しても会話は続くのに、僕が話すと既読29なのに対して、言葉ではなく誰かの変なスタンプで会話が終わってしまう。

まるで、僕はいないみたいだ。

いや、最初から居なかったんだ。

そう思うと虚しくなる。

僕はきっと居ない方がマシなのかもしれないと思う度に、グループチャットでもまともに話に入れないことに、悲しいというより人並みにコミュニケーションが取れないことに人生はイージーモードにならないんだなと思った。


だからなんていうか学校に行っても僕にとってのアイデンティティって何もないのかもしれない。


僕が学校に行かなくなった理由はひとつにはまとめられない。


だから、母さんに本当の事実も話せない。

事実も理由、どちらもとても難しいから。

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