第8話 母親という辛さ

私は会社に行くたびに思ってしまう。

どうしてあの子は不登校になってしまったのだろうかと。

学校だって問題なく行っていたあの子が突然学校に行くことを放棄してしまったかのように、行くのをやめてしまった。

理由を聞こうとしても答えは中々答えてくれるようなものでもなかった。

もし、問題があるなら私の努力不足なのだろうか。

思い悩む日々は続く一方で、和馬が私と会話する頻度は着々と指を数える程度しか無くなっていく一方だった。

最近の会話はLINEか紙に書いてもらうことぐらいだろう。

不登校の子に対して、余計な心配や将来への不安をぶつけるのはその子にとって焦燥感を生む原因になりかねないとネットや本に書いてあるのを見て、和馬にやってしまったことを反省した。


私が出来るのは彼の辛さを分かろうとすることとただ彼の動向を見守るくらいなのかもしれない。


母親として彼に出来ることを一緒に模索していくことへ私は強い不安と孤独感を抱いていた。

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