#15偽装村人
目が覚めて、前回より少し早く目覚めたようだ。
夜がまだ明けてない。こっそり夢ちゃんの部屋を開けて、床で寝るのが好きな愛ちゃんが地面に寝ているのを見つけた。寝相の悪い彼女は、薄いシーツを丸めて、細い脚の間に抱えてたんだ。しかし、布団を被っていなくて、小さな肩がパジャマの襟元から出ちゃった。
これではいずれ風邪を引くだろう。
布団を引きぬいて彼女の上にかけようとしたが、彼女により強く掴まれた。
「お前は相変わらずワガママだな、布団一枚も離さないんだよね。俺を一人で行かせて、自分がヒーローになって俺の気持ちなんて全然考えてくれない……本当に、自分勝手だなあ」
じゃあ、俺も一回わがままにしようかな。
彼女の背中に横になって、体を布団代わりにしてたんだ。髪から愛ちゃん特有のライムの香りが漂ってきて。
「駿ちゃん?」
彼女はすーっと起き上がった。
「目覚めが速いね」
俺も体を起こして、彼女をギュッと抱きしめた。
「ど、どうした……私が性別意識がないうちにセクハラに来たの?実は昨日もオッケーだけど、そっちのほうがまだ心のバランスは取れる感じなんだけどね。でも目が覚めてから自分の性別意識を解消するって言ったよ、まだありますよ!」
べつにいいんだよ。それでいいんだ。
「うおおお、肋骨が折れそうだ。軽くしてよ」
「うん……」
「駿ちゃんどうした……なんで泣いてるの?あれ……誰がいじめたの?」
「お前だ」
「えっ!?……もしかして私が死んだ夢を見たの?」
「うん」
「めっちゃ不吉だよ!この冗談全然笑えないんだよ!あら、いい子~いい子~」母親が子供にするように俺の背中を叩いた、「離してよ、私だって恥ずかしいんだから。」
「前はいつもお前が俺を困らせてたけど、たまには逆でもいいじゃん」
「えっ、駿ちゃん、変だね!私は今すぐに自分の性別意識を捨てないと、このままじゃ恥ずかしすぎて死ぬぞ。秘法【魔除】――目標設定、私自身。」
しばらくして、彼女が目をパッと開けた。
「さあ、今は好きに抱いてもいいよ。さっき、私が性別意識を持ってる間に一方的に私を攻撃したのか?ムカつくなぁ!駿ちゃんなんて全然怖くない!この野郎、来い!」
「えっ、俺となんか勝負するのか?」
「先に照れた方が失敗するチャレンジ大会じゃないの?」
「どの低学年の小学生か。」
「で、どうして?」
「会いたくて、抱きしめに来ただけだ」
「……何か腐ったもの食べちゃったんだのか?いつも私を避けて逃げるのに。なんで急にこんなに積極的になったの?増産報国のつもり?」
増産報国って何だよ!?病院へ試験管ベビーに行かなくても人類の増産できるのか?
「ああ、本気になりたいんだけど、なんでツッコミばかりだよ!」
「だで、おかしいだもん」
愛ちゃんの頭のヘアピンに気づいた。寝てる時もかぶってるのは、頭の上のアホ毛を直すためかもしれない。だが——無駄だ。このばか毛は石の下の草よりも強情だ。この時点ではまだ、お返しにヘアピンをくれていないはずだ。
だから、俺は自分で取った。
「ではいただきます」
「どうして?」
「お前が俺に贈るつもりだったんだよ」
「脳にアーカイブ修正器を内蔵しているか?強盗か?」
「強盗って何だよ、お前は俺のものだ。お前のものも俺のものだ」
「えっ、そんな告白なんてないよ!また次からやり直すね」
告白?それは何。
よくわかんない。
「こんな朝から夢の邪魔をするなんて。俊ちゃんなんて知らない!二度寝するから、じゃあね!」
「ああ、じゃ、また」
彼女の顔に布団をかぶせ(俺はわざと)、一番厚い靴下を選んで強引に履かせてから(万が一また急に逃げようとしても足を壊しにくい)、そして立ち去った。
この子、何が起こっているのかぼんやり知っているのでしょう。結局、この時の彼女は俺が過去に戻る能力を持っていることを疑っていたはずで、俺の異常な状態を見ても何かを知っているはずだった。わかってとぼけているのは、俺を安心させるためでしょう。
今回は彼女を巻き込まない。俺が一人で全部解決するから。
自分の部屋に戻って、新しいA 4用紙が詰まったフォルダを取り出した。これらの紙は【フラッシュ】を用いて生体内に送られると、より大きな創傷面を作り出し、筋肉の結合を完全に遮断することができる。しかも体積が小さくてより多くの紙を持ちやすいし、コインよりもずっと使いやすいんだ。
それからネットで真っ赤な海についての宗教情報を検索する。
もう時間だ、彼女は来るべきだ。このようにフォルダを持って、彼女が現れるところ、の背後に迂回した。
録音ペンをつける。
その185 cm男性の肩を叩いた。
「ここにいるとは思わなかったよ」
「あ……そう」
驚いたでしょう?監視している人に突然背後から現れた感じ。
もし俺が彼女に直接質問したら、得られた答えはまったく信用できない。人はパニックや怒り、恥辱などの感情に占領されてこそ、本当の考えを示すものだ。じゃあ、刺激を与えよう——
「先輩、この前言った写真、持ってきましたか。お金はもう用意してあります」
万単位の紙幣を10枚差し出す。これっぽっちの金は俺には余裕だ。
「何の写真?」
「忘れたの?羽衣と体を交換して、自分で撮ったプライベートな部分を持ってきてくれると約束してくれたじゃないですか。これで性別意識が完全に回復してからお金を売れるようになりますよ」
「この野郎!」
よし、眉間がしわになるぞ。俺の襟首に手がかかっちまった。
では、君は怒っているのは何のため——俺がお前の従者からあなたのプライバシーを手に入れようとしたのか、それとも俺が主人の前でお前を誹謗しようとしたのかを見てみましょう。この【お前】、一体どれ?
今、目の前にいるのは、間違いなく、家の外で見張ってた人だ。パク先輩の体で、私たちを見張ってるんだ。彼は羽衣かもしれないし、朴信義かもしれないけど、俺は導かれて羽衣だと勘違いしちゃったんだ。
もちろん、俺の時間遡行秘法は変数だから、バタフライ効果を引き起こすこともわかってる。でも、時間遡行から目が覚めるまでの間、俺の変化は彼ら2人に影響を与えず、バタフライ効果も起こさなかった。
「どうして今日先輩はそんなに異常ですか。約束の写真はどうしたの?」
どん——!
顔を殴られて、人は地面でとんぼ返りを打って、すごく痛い。
紙が地面に散らばっている。
「お前……私と話してるみたいに見せかけて、実は羽衣の前で私を中傷して、私と羽衣の関係を壊したいって思ってるんだろう?それなら、思惑違いだぞ!」
「先……先輩か?」
俺は驚いたふりをした。
「私が羽衣だと思って、この機会に私を中傷するつもり?」
よし、わかった、俺と愛ちゃんを監視しているのは、お前だ。
最初に彼を見つけた時、朴信義は俺を羽衣だと勘違いさせたんだ。で、このやり方の目的は一体何なの?
ちょっと待って、すべての情報ポイントを思い出してみよう。
彼は言った、「愛ちゃんも仏教?」その時俺はこの「も」は俺が羽衣に嘘をついたことを指していると思った。しかし羽衣は、使徒以外の誰にも圏内のことは話さないと言っていた。彼はどこで他の誰が仏教の使徒なのかを知ったんだろう?
使徒が「神々の境界」で動けないふりをするのは簡単だとも言っていた——この言葉が羽衣の言葉ならまだ理解できるが、境界に入ったことがないはずの一般人には、境界内がどんな状況なのか知るべきではない。
「なんでここで俺たちを監視してんの。羽衣が私たちを監視するためにお前を派遣したわけないんだ。あの人のやり方なら、疲れていてもお前の体をコントロールして自分で来るはずだ。」
俺はバックステップを始めて、最短時間で地上のA 4用紙を空間内の任意の位置に【フラッシュ】で放出できるように重心を低くしようとした。
「私が個人的な目的で来たって、というよう意味か?」
「そうじゃないか。」
怪物の攻撃を指揮するやつは、俺たちがホラー映画見てる時に「神々の境界」展開しようって決めたんだって。少なくとも午後の時間帯には、彼が外で見張ってること間違いない。
「さっき、お前が後ろから私のそばに回ってきたとき、考えてるんだ——なんで正門にお前の姿が見えないのに、そのまま迂回してきちゃったのか……お前の秘法は予知能力?」
当ててみたら?
彼は一歩一歩迫ってきた。
俺は羽衣がくれた人形の紙片を取り出して、引き裂いて……彼女は引き裂けばすぐに来ると言ったが、彼女は明らかに瞬間的な転送能力を持っていない。「すぐに」「瞬間」とは、現実の時間のこと。彼女の意味は、俺が紙切れを引き裂くと、すぐに神々の境界が展開されるということだ。
彼女は他の使徒に知られないようにのか、自分がどうやって来たのかを直接教えてくれなかったんだ。それとも、彼女は俺が「神々の境界」を開くことができないことを既に見抜いており、私が緊急時に境界を開く方法があるようにしてくれたからかも。
やはり、神々の境界が開かれた。
朴信義が、まだ動いている。
「お前は使徒で、今まで隠してたんだ。また、お前は彼女のために全ての使徒を解決したい。目的はまだわからないが、少なくともお前は彼女を標的にはしないでしょう」
「面白い仮説」
「お前の能力についてはだいたいわかった。お前は俺の予知で、仏教という言葉にすごく反応するみたいだから、俺は特別に仏教の概念を調べてみたんだ。畜生道——中にはすべての鳥や獣、水陸空行、牛馬や豚や羊の家畜がいて、これは最初の晩に俺たちが出会った。餓鬼道——すべての人型生物は飢餓感に満ちており、水を見ると膿の血のようなものであるため、血の赤い海がある。【難有飲食充飢】ので、人を食べても生きている人だけを食べて、怪我をした人にはさらに群がって攻撃する。どちらも、「六道」、つまり仏教内の言葉だ」
愛ちゃんの犠牲のおかげで、逃げ出して羽衣に接触することができ、少しは怒りがおさまった。
そうやって今ある結論を導けるんだ。
人は、やはり冷静になってこそ正しい判断ができる。
「では最後の質問は、逃げるんじゃなくて、私に質問を投げかけてみることだ。自分が殺されることを怖がらないのか」
「それができるかどうか、できたとしてもお前にとって得になるかどうかはわからないんだけど」
携帯を取り出して、カウントダウンを始め、録音ペン内のファイルを自動的に羽衣に転送した。
「俺が死んだら、彼女は誰がやったか知るよな。無差別に使徒を殺すなんて、彼女がお前と統一戦線であるはずがない。そうでなければ、使徒の身分を隠す必要はない」
「勘違いしているかも、お前」
「なに?」
「羽衣は電気音痴で、どんなファイルでも私の手を通さないといけない」
「くそ!」
俺は手の紙片を発射したが、相手を殺したくなかったので、肩の表皮にこすっただけだった。
いいえ、彼は俺の攻撃を始める前に、反対の方向に早めに移動していたようだ。
なるほど、道理で朴先輩は様々なスポーツで圧倒的に勝つことができて、このやつの異能は運動予知に関係していて、事前に相手の行動を知って反応することができるんだ。
俺がここに残ったの結果は2つしかない——
1つ目は、殺される。
2つ目は、彼を殺す。
でも彼を殺せば状況は良くなるのでしょうか。いいえ。俺はただ疑いの連鎖に巻き込まれるだけだ。
そこで逃げるという選択肢しか残っていない。
この時間の繰り返しの訓練を経て、俺の逃走能力は会ったばかりの時よりはるかに高かった。左右に横に動くと、自分を10メートルの高さまで【フラッシュ】させて、空中を平行移動することもできる。
足の裏に剣を横倒しにしたら——そうそう、お隣の中土大国の仙俠の作品によくある御剣の飛行ですね。あと一本剣。
彼の目標は使徒だけで、家族は安全なんだ。愛はこの時間には部屋でグーグー寝てるけど、この人は呼びに行かないと日が暮れるまで寝てられる。愛ちゃんはまだ外出したことがない、朴信義は彼女がどこにいるのか知るはずがない。愛ちゃんの住所を調べるくらいだけど、でも普通な感じで言うと、彼は絶対に対立してるやつの俺を先に探しに来る。
人間は結局肉体を持つ存在であり、それらの群れの怪物にはかなわず、すぐに俺は視線から離れることに成功した。
斜張橋には人が見えなかったが、この時点で羽衣はまだ学校の寮にいるかもしれない。
俺はまた2時間自転車に乗った後、学校内のあちこちを探しても羽衣を見つけることができなかった。
俺がここで大声を出しているのを聞いたら、返事をしてくれるはずなんですが……でも何もなかった。
「羽衣!……え、疲れすぎて、声が出てこない」
体育職員室に行ってホイッスルを持ってきて吹いてみたんだけど、なんせ人の気配が全然なくて(ほとんどの人が固まってるから)、音を立てる人はいなかった。そんな終末感じみたいな雰囲気がした。
もし彼女が見つからなかったら、島の南端に戻って、あの餓鬼どもと戦うしかなかった。
俺はまた「フラッシュ」の武器として試験用紙を抱えていた。
その時、携帯が鳴ったんだ。羽衣からの着信って表示される。
「どこにいるの?」
男性の声、朴の声だ。
「あなたは誰」
「私だよ、羽衣。私、朴の魂とリンクしちゃったんだけど、今の状況はどうなってるかな?西街区の遊歩道にいるマック前で待ってるよ。」
「彼から離れて、携帯で位置追跡してるから、すぐに羽衣さんのところに行くよ。」
「位置追跡?どこを押す?」
あっ、やっぱり電気音痴だ。
羽衣にチャットアプリ持参の位置追跡の使い方を教えるのに時間がかかった。しかし、彼女が位置を正確に教えてくれたから、この島というか、この国の領土は全部で小さな都市の大きさにすぎない、俺はほとんどの場所をよく知ってる。
すぐに彼らを見つけた。
羽衣は木にもたれて、静かに横たわってる。
日本刀を持った朴信義は彼女のそばに立って警戒して見回している。
(やはり、羽衣は心霊リンクを使っていた。羽衣が寝たふりをするわけがない、寝たふりをするのは彼だけだ——自分の使徒の身分を隠すために、朴信義というやつはまた寝たふりをした。)
しかし、彼女が朴信義と体を交換したことはほぼ確実だ。
「どこで見つけたの?」
「あなたの呪縛が破られた瞬間、方角がわかっちゃうんだ」
なるほど、俺を探しに行ったはずなのに、俺がその場所を離れてしまっていたんだね。
結局羽衣は誤って朴のやつに出会い、境界で固まったふりをさせられた。
「襲われた」
「それ知ってるよ。ところで、使徒見つかったの?」
俺は緋袴を履いたこの娘を横目に見てさ。ずっと寝てるフリしようとしてたんだろうかな。
大丈夫だ、すぐに目を覚まさせるから。
「まず最初に、あなたは信じないかもしれないけど、実は私も彼を疑ったことは一度もないんだ……」
——ふりを続けたいなら、他の凡人と同じように境界の中で動けないフリをしたかったら、続けてみよう。
でも、俺には自分なりのやり方があるんだ。
そうだね。寝てるフリしてる人を起こすのは絶対にできない。彼女/彼の足を掻かない限り。
俺は歩いて行って、羽衣の前で彼女の体の下駄と白靴下を脱いだ。
「何をするの?」
「寝てるフリしてる人を起こすのは絶対にできないって言葉があるんだ。うち妹はいつも寝坊して学校に行きたがらない。起きているのに寝言を言うふりをしているのに、幸いにも俺は一門の秘技を開発した」
羽衣の足はエジプト足みたいな弓の形をしてる。足弓が極端に高い人は、足弓の部分が地面にほとんど触れないという弱点があるが、地面に触れないと誰よりも敏感になるんだ。この部分の肌は足の甲と同じく真っ白で、指で押すとシルクを撫でるような滑らかさがあるんだ。
もちろん足指の第2指の節の裏側もかゆみをかくのに絶好の位置で、ここの肌は足の裏が地面に触れている肌と同じように薄いピンク色をしている。敏感点は足指と足指の間の溝にあり、汗腺があるので触れると多少べたつく感じがするからだ。
正確な手法は左手が足指の間をこすりながら行き来し、右手はピアノを弾くように足弓を軽く撫でる。普通の人は10秒も耐えられないはずだ。
しかし彼女の体には、何の反応もなかった。
あ、あり得ないよ、夢ちゃんは七秒も耐えられないし、愛ちゃんは一秒も無理だ。
もう後に引けない。今は振り返らなくてもわかっている羽衣が極度の軽蔑の目で俺を見ている。彼女が完全に無尽賢者モードに入っても、不思議に思わざるを得ない——そうね、同性でもいきなり靴下を引っ張って、足をこすってあげるのはおかしいでしょう?
ましてや朴信義という奴が羽衣の胴体を占領しているので、何をするかはまだわからない。時間が経つにつれて、俺と羽衣の境遇はますます危険になる。早く羽衣に知らせて、自分の体に戻って、俺と一緒に朴信義を倒さなきゃいけないんだ。
まさか……舌を使わなきゃいけないのか
「ううん……」
とてもかわいいうめき声をあげた。
声が出せる?まさか……
身を捻ろうとしたが、刀が光り、銀色の金属が俺の脇腹に突き刺さった。
いたたたたたた!!!痛いなぁ、超痛い!
「てめえ!!!」
油断した。羽衣が俺の前で寝ているふりをする必要はないと思っていたからこそ、彼女はきっと魂と肉体を交換していると思っていた。でも――
薬を盛られる可能性はあるか?
もちろん可能でしょう!友達関係なら、薬を盛られるタイミングはいくらでもあるんだ!
だから彼らは体を交換したことがなく、朴信義は朴信義のままで、羽衣も気絶しただけだ。
「ご心配なく。あなたが死んだ後も私は持鈕人を探し続ける。殺し違えば、いつかお前は生き返るかもしれない」
「ああああ……痛い」
体が震え始めて、ちょっと寒気がする。
しかし日本刀を持った手を離し、しかも割りではなく刺し方をしていたので、きっと勝ったと思ったのだろう。
でも確かに、俺はこの「神々の境界」を終わらせる方法がなくて、もちろん現世に戻れないんだ。医者のいない俺がこのような怪我をしているのは、最も良い場合でも失血死にすぎない。だから今回はほとんどひっくり返せないんだ。
でも次の世界はどうでしょう?
「首を直接切らなかったのは、ただ死にかけの人に慰めの言葉をかけるためだったのか」
「……」
彼はためらった。
「もちろん、誰だって持鈕人じゃない可能性もある」
「誰だって……じゃない?」俺は尋ねた。
「もうすぐお別れだから、教えてもいい……まだ結論は出てないけど、羽衣が中学生になったばかりの頃、つまり無限EDが起こる前に、神と夢見れたんだ」
「ということは……ゴホン……」口から血が流れ出し始めた。「彼女が持鈕人だと疑っているのか」。
「幼なじみで、私は彼女を見て育ったんだ。1歳年上だが実の兄妹と変わらず、私は永遠に彼女の側に立つ。あなたと観月愛の関係を見ると、まるで私たち自身を見ているようだ」
自己感覚のいいやつ。
「とはいえ、すべては私のせい。発育が遅れてたから、まだ痩せすぎてるし運動もしてなかったんだ。でも実際には、人を守る勇気って外の要素と関係ないんだよね。
でも、相手が年上で……それだけで、ファンと称してストーカーが彼女に嫌がらせを続けている間に、私は何もしなかった……彼女への傷つけ続けることをやめさせなかった!
ある事件がきっかけで、学校では女子からどんどん仲間はずれにされていってした。彼女はかわいいふりをしているから、ストーカーを誘惑していると言った。巫女服を着用しているが、セールスポイントとして援助交際していると噂されている……でも、それは全部神様が彼女に何か宗教や文化の広まりのためにしてほしいことを望んでるって知ってるんだ。だんだん、その時の彼女は元のように活発ではなくなってきたんだ——無限EDが現れるまで」
なるほど、どうせ俺は死ぬと思って、死体は口をきかない。だから俺に何を言っても、プライバシーを漏らすことはない。
「だから彼女だと思う?」
「だからこそ、彼女が彼らをすべて浄化しようとしたのかもしれない」
「大間違いだよ、ホン」
「……」
「彼女と知り合って間もないけど、そんなに弱い人ではない」
嫌がらせをされていじめられているから、世界中が責任を負うのか?
少なくとも俺が遭遇したすべてよりも、羽衣はそれを無視して前進し続けるほど強く、十分に強いと思う。
自分と立場の違う人間を皆殺しにしてほしいと彼女も思わないはずだ。タワーブリッジの一番上に立っていたときに俺が持鈕人と言っても、すぐに俺を殺そうとする動きは何もなかったからだ。
「二つ目のミスは——」
「俺が間違って殺したのか」
「人を間違える心配はないから。そんな皆殺しのやり方……少なくともお前は今回は運がいい。」
「運がいい?」
「そうだ、ボタンは俺が持ってるんだ。」
「——!」
彼自身が驚いていた。
25分の1、4%は確かに小さな確率のイベント。
「お前が犯したミスは——ここを狙えるのにさ」こめかみを指しましたが、「心臓を狙ってもすぐにできるのに。やってない、残念ね!」
「てめえ――!」
彼はほえながら突進してきたが、もう遅すぎた。
「人間はね、思ったほど弱くない。腰から下まですべて腰で斬られた場合でも、何十秒も動くことができ。自分で経験したことがあるんだ。そういえば、その時、俺を死なせた責任もお前にあんるだぜ。2回目だな」
【フラッシュ】を使って後ろに絶えずに移動してるんだ。傷は運動中に広がって、出血も速くなったけど、大丈夫だ。
「俺たちみたいな世界ルールを変えたやつにとって、首を切らないのは全部無駄だ!ははははは。愚か者!」
左手を開き。
手のひらにボールペンで輪を描いた。汗に濡れるとやばいから、ペン先で肌に突き刺したんだ。
時間の読み取り能力は、必ずしも物に丸をつける必要はないんだ。自分の体の上で、指を鳴らして打つ代わりに打ってもいいんだ!
ダーーーー!
また、次の世界で会おう!
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