第7話 魔法×銃

「なにも殺し合いをしようというわけではありません。ただし最低一人は生け捕りにします。知っているかはわかりませんが私の国は魔力が不足していまして。魔法石から魔力を抽出して現在は事なきを得ていますがこのような状況が続けばこの国は確実に崩壊します。そこに現れた謎の方法で魔力を生み出す臓器。研究するしかないでしょう。悠長に安全な研究ばかりはできません。解剖でもなんでもするつもりです。」

………。説得力がある。だからといって死ぬようなことはしないが。アイツが乗っている乗り物…まさか戦車か?もはや廃れたものだと思っていたが…。あれには魔力が通っているように見える。魔法と兵器の融合ということか。苦戦しそうだ。

「ポルタ」

「分かってるよ。へいへい!可愛ければなに言ってもいいわけじゃないんだぜ!催眠!」

「躊躇ないですね…。」

ポルタは実は中々の実力者だったらしくボルケーノのような狂ったヤツじゃなければほぼ催眠魔法が成功する。

「成功!記憶から情報を盗んでみるね。」

「頼んだ。………。コイツの装備を見てるか。」

ハンドガン、ライフル、弾、通信機器…。やはり銃だ。魔法都市すごいな。魔法の発展と共に消え、歴史書でしかお目にかかれない物のほとんどが魔術化されている。…ん?通信機器…。

「やばいよみんな!本隊に通信がいってる!結構前に!つまりもうすぐ到着!」

「やっぱりか!ミラ!シールド張っといて!」

「はい!」

ミラによって巨大なシールドが展開された。その直後。

ガキィィィン!!

「っ!!狙撃か!危なかった!」

ぞろぞろと戦車、歩兵がやってきた。狙撃もあると考えるとどう戦えばいいか。

「私狙撃防ぐの得意だよ。催眠魔法は嫌われ者。暗殺には魔法より銃の方が向いてるからね。」

「そんな狙われてたのかポルタ…。じゃあ狙撃手を探して催眠してくれ。」

「オッケー。暗殺する側に回るのは初めて!」

「ミラと私で本隊を片付ける!」

「ではミトラは突撃してください!きっと装甲も魔術化されてるので遠距離は駄目です!弾丸は私が防御します!」

「よし。それじゃあ開戦だ。」



ダダダダダ…。ガキン。ガキィィィン。弾丸が大量に飛んでくる。ミラのシールドでも範囲を絞らないと割れてしまいそうだ。弾丸自体の運動エネルギーと魔法の爆発で死と技術を感じる。部隊は超長距離から攻撃をしてきているからかなりの距離を走ることになる。

ガキィィィン!ガキィィィン!!!

「………。」

すでにミラのシールドが割れてきている…。光魔法の身体強化ではたどり着く前にシールドが粉砕されてしまう。闇魔法を使うか。

シュルシュル…。

身体に黒い紐が絡まっていく。闇魔法の身体強化ではこれを直接動かし無理矢理身体を駆動させる。

「ふっ…!!」

光魔法の身体強化よりずっと身体が動く!けど…ちょっとでも可動域を見誤ると身体がバキバキになってしまう怖さがある…。これを上手く使えばポルタでも戦えるかもな…。後で特訓だ。

バチチ!

戦車とかは仕掛けはわからないけど魔術的回路が組まれてるだろうから…。

バチ!

こんなふうに魔力を強制的に流せば壊れる。銃も弾の魔力を駄目にしてしまえばいい。これで人を殺さなくても済む。この戦法の欠点は至近距離まで近づかないと駄目な点だろう。ミラみたいに魔力量がバカだったら広範囲でできるだろうけど。私はそんなに魔力量ないからね。

「あ〜…。あ〜あ〜。聞こえる?」

「ポルタか?聞こえる。どうやってるんだ?」

「私歴史大好き。こういうの得意。狙撃手はやったよ。結構可愛い。終わるまでこの娘で遊んどくね。」

「よくやった。私の分が減るなら好きなだけ遊びな。そろそろこっちも終わる。ミラに伝えといてくれ。」

「減らないよ〜。通信したままでいいよね?」

「よくない。」

恐らく音の発生源である落ちていた通信機を破壊した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る