第5話 崩壊
高らかな声が聞こえる。
「私の名前はボルケーノ!物を保存する奇跡を持ってるの!」
「ヤツ…距離を詰めているな…。」
「待って!まだ殺す気はないの!私の自慢を聞いて!」
魔王らしい思考だな…。反吐が出る。全体像がだんだん見えて来た。何だあれは…魔法陣を大量に纏っているのか…?
「私の奇跡はね…。さっき言った通り物を保存できるの。いっぱい魔法が飛んできたでしょ?あれはあなた達に会う前に作っておいた魔法たちを保存してたの!でもおかしいわよね。あんな量の魔法は相当な魔力が必要なはずよね?うふふ!魔力は火山からもらったの!」
「よく口が回るな。」
光魔法ならこの距離でも当たる!
「ドシュ!」
「ざんねーん!効かないよ!私自身の健康な状態を保存してるからね!」
「そんなのありかよ…。………やってみるか…。ミラ。ポルタ。援護を頼む。」
属性同士の拒絶反応で爆発が起こる。それなら光魔法と闇魔法ではどのような拒絶反応が起こるだろう。火や水とはわけが違う。光と闇という概念同士の混ざり合い。
「それは…思うに崩壊だろう。」
大気が揺れている。世界に乱れが起きている。その中心点は…私。
「ひ!?何を!?」
「心の隙発見!催眠開始!魔法はまともに撃てないよ!」
「ミトラさん!身体強化は私が!」
とてつもないエネルギーを感じる。ミラの身体強化が無ければ身体が弾け飛んでしまっていただろうか。
「崩壊の灰!!!」
ヤツの奇跡は構造から乱され、崩壊した。きっと私の身体もぼろぼろだろう。
「勝った〜…。」
「やった〜!!ミトラ〜!」
「ドサクサに紛れて抱きつくな。」
「本当に良かったです!ここで死んじゃうかと思いました〜!身体もこの程度なら治せます!」
「本当に神なんだね…。」
奇跡との初遭遇はあまり過酷だった。
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