第5話 世界浄化の旅~RTA~
世界の浄化はすすんでいる。
元々聖女を呼ぶほどに世界が荒れていたわけでもないらしいけどね。だけど関係者が顔を引きつらせるレベルでの最速らしい。
少しくらい休まれては? と言われているが断っていた。
そこには理由がある。
やばいのである。
浄化の力を使うと痩せることが判明。
ここにいると肉がついてもいいじゃないと堕落する。太って痩せるという健康に良くなさそうな事情もある。
それだというのに! 可愛いからもっと食べていいのにとかやばい美青年が迫ってくる。
あたしは日本に帰って就職するのだ。聖女に就職しないっ!
しないったらしないのっ!
最近、絶妙に気に入りそうなお菓子用意してくるようになってきたんだ。ナッツ入りブラウに―とか、キャロットケーキとか、クッキーとか。甘いけど、甘すぎない。クッキーなんかは素朴なアソートボックスだったが、一枚だけ可愛くアイシングされていた。
泣くかと思った。
何だこの素敵セットは。
なんでも弟とか後輩から仕入れているらしい。すごい後輩がいたものだ。お店だったら買い占めたいといったら妙な顔をされてしまった。
彼ら的には物足りないらしい。この繊細な味がわからんのかぁっと説教してしまったのは反省している。
わかったから、次は何を食べたいの? と聞いてきた。
「カヌレ」
地味に極み。でもこの世界にあってもいいかなと思った。なんか修道院で作っていたとか聞いたことがある。何でも作るんだな修道院と思ったんだ。
こういうのがあるならばと、説明を書いた紙を用意した。
なにげなく書いた文字は日本語だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます