第5話
私は、その言葉を胸に刻み込みました。
そしてこの経験は私にとって大きな財産となり、より一層護衛としての仕事に力を注ぐきっかけとなったのです。
その後..............私たちは、王様からの援助を受けながら新しいお城の建設を進めることになりました。ベル様と私だけでなく、他の仲間たちもそれぞれの特技や知識を活かして活躍していきました。
お互いを尊重することを忘れずに協力し合い、見事立派なお城を完成させることができました。
そして、ついに完成したお城を見た私たちは感動しました。
今までとは比べ物にならないほど、美しく素晴らしい建物が出来上がっていました。
ベル様も「...............こんなに素敵なお城を建てることができたなんて、信じられないわ!」と嬉しそうな表情を浮かべていました。
「これで城内に侵入者が入ってきても、大丈夫ね」
と私は冗談交じりに言いました。
それに対して皆は楽しそうに笑い声を上げながらも、これからの冒険に向けて気持ちを引き締めました。
それからも、さまざまな経験を積みながら、私たちは旅を続けていくことになるでしょう。
しかし..............どんな困難が待ち受けていても、必ず乗り越えることができると信じています。
その日以来、私は頻繁に王宮へ通うようになった。それは新しいお城建設のためだけでなく、エリス様への恩義を返すためでもあった。
彼女は、私に対して親身になって相談に乗ってくれたし、助言や助言もしてくれた。
そんな彼女への感謝の気持ちを示すためにも、私は何かの形で恩を返したいと思った。
そして、ついに完成したお城が目の前に現れた時、エリス様は感動のあまり言葉を失っておられた。
なぜなら、まさに王宮に相応しい美しさと豪華さを兼ね備えた素晴らしい建物であったからです。
「エリス様、このお城を大切に使わせていただきます」
と私が言うと、彼女はにっこりと微笑みながら、私を抱きしめるように言いました。
「あなたの願いが叶って本当に嬉しいですわ、これからも頑張ってくださいませ」
とお優しいお言葉をいただけて、本当に今回のお城建設の件は大成功だったと言えるでしょう。
それから私達は早速中に入ってみました。そこは、広々としたエントランスに美しい装飾が施されており、王宮と遜色ないほどの豪華さでした。
「..............これは素晴らしいですね」
私が感心して言うと、エリス様は嬉しそうに頷きました。
中に入ると、豪華なインテリアが出迎えてくれます。広々とした応接室には大きなソファが置かれており、そこでのんびりとくつろぐこともできそうです。
キッチンも完備されており、料理を作ることができるのは大変便利です。
さらに大きい浴室もあり、ゆったりとバスタイムを楽しむことができます。
そして私達は、これからこのお城で共に暮らすことになるのです。
それは私にとっても非常に喜ばしいことでした。
わくわくしすぎて、その日は中々寝つけなかったことは言うまでもありません。
次の日、長い廊下を歩いていると私は呼び止められました。
それは、国王陛下の声でした。
突然の登場に驚いて振り返った私に向かって陛下は言いました。
「テレーシズよ、実は頼みがあるのだ...........。」
その言葉を聞いて私は身構えました。どんな用件であろうとも引き受ける覚悟がありましたが、果たしてどんな内容なのか.............不安な気持ちでいっぱいでした。
しかし陛下の口から出た言葉は意外なものでした。「実は先程、隣国の陛下から承ったことなのだが..............。陛下のご子息であるアルフォンス王太子殿下が、我が国に留学に来ているのだが、彼は人見知りで王宮内に友達がいないそうだ。そこで、君にその友達になってもらいたい」
陛下の言葉を聞いて私は正直驚きましたが、同時にありがたい申し出でした。
私自身も、もっとこの国の文化や人々と交流を持ちたいと思っていたからです。
私は「わかりましたわ、是非引き受けさせて頂きます」と即答しました。
すると陛下はニッコリと笑って、「ありがとう、テレーシズよ。君が引き受けてくれて本当に助かった」と感謝されました。
それから私は、早速アルフォンス殿下のもとへ向かいました。
彼は緊張している様子でしたが、私が優しく挨拶すると少しずつ心を開かせてくれました。
彼はとても賢く教養があり、一緒に話しているだけで刺激を受けることができました。
アルフォンス殿下は、私に沢山のことを教えてくれて、彼のおかげで私の世界はますます広がっていきました。
その後..............私は国王陛下から、新しい任務を授かりました。それはアルフォンス殿下の専属侍女になることでした。彼はこの国の文化や言語に興味があるようで、私に様々なことを教えてほしいと頼まれました。
私は喜んで引き受けることにしました。
ベル様やクォーツが寂しがるかもしれないので、期間は1ヶ月と、短めに設定されております。
そして早速、私はアルフォンス殿下に様々な知識を教え始めました。
彼は熱心に話を聞いてくれて、私が教えることをどんどん吸収していきました。
その成長ぶりを見ることが、私の楽しみにもなっていきました。
しかし.............アルフォンス殿下は気まぐれな性格でいつも自由奔放です。しばしば授業をサボったり、抜け出すこともあります。
私はアルフォンス殿下を探すため、王宮内を歩き回っていました。
しかしなかなか見つからないので、困っています。(どこにいらっしゃるんだろう...............)
途方に暮れている私に、とあるメイドが声をかけてくれました。彼女は私の姿を見つけると、「どうかなさいましたか?」と心配そうな顔をして聞いてきました。
私は事情を説明して協力をお願いすると、彼女は快く了承してくれました。
そして私たちは、アルフォンス殿下を探しながら王宮内を歩き回りました。
すると、彼が庭園で戯れている姿を発見することができました!
メイドが注意しようとすると、彼は不敵な笑みを浮かべて言いました。
「それに今日は天気が良いし、こういう所でゆっくり過ごすのも良いと思わないかい?」
彼の言葉に納得した私は「少しの息抜きですよ!」と申し上げ、メイドと一緒に少し休むことにしました。
それから、私たちは雑談を交わしながら過ごしました。彼は私に様々な質問をしてきましたが、彼の知識には驚かされました。彼は本当に賢い人なのだと実感させられました。
しばらくしてから私は王宮の中へ戻ることにしましたが、庭園から出ようとした途端、アルフォンス殿下に「テレーシズ」と声をかけられました。
私はゆっくりと彼の方へ振り向きました。
彼は、嬉しそうにニコニコしながら私の手を取り、「もっと君と話したいな」と言いました。
私は戸惑いつつも承諾し、彼と庭園を散歩することにしました。
それから私たちは、いろんな話をしながら楽しく過ごしました。
アルフォンス殿下は、私の故郷の話に興味を示してくれ、いつも興味津々に聞いてくれました。
そして時間が経つのを忘れてしまうほど、穏やかで充実した時間を過ごしたのでした。
次の日から、アルフォンス殿下は様々な場所に連れ出してくれて、綺麗な景色を見ることが日課となりました。
彼を見守ることができるのがとても楽しく、私にとっても特別な時間となりました。
ある日、私は彼に「どうしてそんなに熱心なんですか?」と聞いてみました。
すると、彼は少し考え込んだ後、微笑みながら答えてくれました。「それはね..............君に、僕のことを知ってほしいからだよ」と彼は照れた様子で言いました。
その瞬間、私の心は温かく満たされていくのを感じました。
それから私たちは、毎日一緒に過ごしました。私は彼と共に成長する喜びを感じながら、日々を過ごしていました。
しかしそんなある日のこと..............突然アルフォンス殿下から告げられた言葉が、私を驚かせました。
彼は私に「君に、聞いてもらいたいことがあるんだ」と真剣な表情で言いました。
私は彼の言葉をしっかりと受け止めようと心に誓いながら、「何でしょうか?」と尋ねました。
すると彼は深呼吸をした後、ゆっくりと口を開きました。
「テレーシズと過ごしていく内に、僕は君のことが気になってきたんだ」彼は驚きの告白をしてくれました。
その瞬間、私の頭の中には様々な考えが巡っていました。
(どうして突然そんなことを明かしたんだろう...............?これって、告白なのかしら.............?)
混乱しながらも私が黙っていると、彼は続けて言いました。「君にはもっと僕のことを知ってもらいたいし、僕のことを好きになってもらいたいんだ」
彼の言葉を聞いた瞬間、私の心臓は大きく跳ね上がりました。
(私のことを、本当に思ってくれているんだ...............)
今まで経験したことのない感情が、胸から湧き上がってきました。
「残りの10日間で、できれば答えを出してほしい」
彼は続けて言いました。
私は戸惑いながらも、彼の想いに答えを出そうと決意しました。
そして残された10日間で、自分の中にある感情を整理し、答えを出すことにしたのです。
あれから数日が経ちましたが、私とアルフォンス殿下の関係は変わらず続いていました。
私たちは、お互いに信頼を深めながら過ごしていましたが、自分の気持ちを整理することができないまま、時間だけが過ぎていきました。
そんなある日、私が一人で王宮の廊下を歩いていると突然後ろから声をかけられたのです。
振り返ると、そこにはクォーツの姿がありました。「やあテレーシズ。こんなところで何しているんだ?」クォーツは興味津々の眼差しで、私を見つめていました。私は少し緊張しながらも、「クォーツ!王宮内を散歩していたんだ」と答えました。
すると、彼は笑顔で言いました。「じゃあ一緒に少し休もう。」
彼の提案に、私は喜んで同意しました。
それから私たちは、王宮内のさまざまな場所を巡りながら楽しく過ごしました。彼と話をしているうちに、次第に心が癒されていくことを感じました。
そしていよいよ、彼に打ち明けてみることにしました。
「あのねクォーツ.............実は、アルフォンス殿下に告白をされちゃって............。」
私が正直に打ち明けると、彼は驚いていましたが、すぐに微笑んでくれました。
「そう、か...............おめでとう!」彼が喜んでくれているのを見て嬉しく思いました。ただ、いつものクォーツと様子が違うような気がしました。
「それで、テレーシズはどう思ってるんだ?」とクォーツが聞いてきました。
私は彼に正直な気持ちを伝えました。
「私はアルフォンス殿下のことは、尊敬しているの。..................でも、今考えてみると自分の気持ちがわからないの」私は正直に今の気持ちを告白しました。するとクォーツは真剣な眼差しで言いました。「それなら、もう少し考えてみるのも良いかもしれないな。でも、俺はテレーシズには幸せになってほしいと思っている」
彼の優しい言葉に心が温かくなりました。
「ありがとう、クォーツ!」と私は心から感謝の気持ちを伝えました。
そして私たちは、王宮の庭園を散歩しながら会話を楽しみました。クォーツはアルフォンス殿下と共通の趣味があるようで、会話の中で盛り上がっていました。その様子は楽しそうで、私も微笑ましく思っていました。
するとその時、彼は突然私を後ろから抱きしめてきました。私は驚いて彼の顔を見つめましたが、彼は真剣な表情のまま私に言いました。
「テレーシズ、君が俺の一番の理解者であることは知っているよな?」
彼の問いかけに対して、私は小さく頷きました。クォーツは私の大切な人であり、心の底から尊敬できる存在でした。「ああ..............、そうだな」彼は自信に満ちた表情で言いました。
そしてその後、私たちはお互いを見つめ合いながら黙り込んでしまいました。
お互いに沈黙が続く中、突然クォーツが口を開いたのです。
「テレーシズ..............ずっと前から好きだった」
彼は、はっきりと言いました。
その瞬間、私は頭が真っ白になりました。
クォーツが、私の事を好きだなんて...............信じられませんでした。
彼は私の特別であり、私にとって大切な存在だったからです。
しかし、彼の真剣な眼差しを見ているうちに、自分の気持ちに気づいていったのです。
楽しいときも、辛いときも、いつも私の側にいてくれて、私を支えてくれた存在。
そんな彼の優しさや温かさに、私はいつの間にか惹かれていたのです。
私がしばらく黙っていると、彼は言いました。
「ごめんテレーシズ、困らせるつもりはないんだ。........................忘れてくれ。」そう言って彼は立ち去ろうとしましたが、私は彼の手を掴みました。そして...............精一杯の笑顔で、彼にこう伝えました。
「ありがとうクォーツ!私も、まだ確定ではないのだけれど、あなたの事が好きよ。これからもそばにいてほしいのは、あなたなの。」その瞬間、クォーツは驚いた表情で私を見つめてきました。
彼の瞳には、喜びの色が浮かんでいました。
私はそんな彼を見て幸せを感じました。
それから私たちは再び一緒に庭園を散歩し、楽しい時間を過ごしました。
そして翌日から、私たちの関係は大きく変わりました。
クォーツは私の恋人になり、毎日一緒に過ごすようになりました。
私たちはお互いに支え合いながら、成長していくことを誓いました。
そして、アルフォンス殿下と話し合う時がきました。
彼は真剣な眼差しで。私に言いました。「テレーシズ、答えは決まったかい?」私は答える前に。少しの間考えました。そして自分の気持ちに正直になることを決めたのです。
「はい、アルフォンス殿下。...............申し訳ないのですが、告白はお受けできません」と私は言いました。
するとわ彼は微笑んで言いました。「そうか、それは良かった。僕も君のことが好きだったけれど..............君が幸せなら、それで良いんだ」
彼はそう言ってくれました。ら私は嬉しかった反面、胸が締め付けられるような思いもありました。しかし、最後に一言だけ伝えました。「アルフォンス殿下、本当にありがとうございました!私は、あなたの優しさに感謝しています」
私が感謝の気持ちを伝えると、彼も優しく微笑んでくれました。
そして、私たちはお互いの道を進み始めるのでした。
王宮に戻ると、ベル様とクォーツがなかよく遊んでいました。
私は微笑みながらベル様の元へ駆け寄りました。
「ただいま帰りました、ベル様!」私が元気よく言うと、彼女は少し照れたように笑ってくれました。そしてクォーツも、私たちの輪に入りました。
みんなで楽しく遊んでいると、突然扉が開きました。
すると、そこには国王陛下立っていました。
彼は私たちの様子を見つめながら、微笑みました。
そして、私に向き合って口を開きました。
「テレーシズ、ご苦労であった」
陛下がそう言った瞬間、安心して私はお辞儀をしました。
そんな陛下は、優しく私の頭を撫でてくれました。
「テレーシズ、頑張ったね!お疲れ様!」ベル様が私を抱きしめながら言いました。
クォーツも微笑みながら「テレーシズ、ありがとうな」
私は驚いてしまいましたが、皆への感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。
「...............みんな、本当にありがとう!」
私は心からの感謝の気持ちを込めて言いました。すると、ベル様がおもむろに提案されました。
「テレーシズ、今日はお祝いをしなくちゃね!」
私は嬉しくて嬉しくて涙が出てしまいましたが、クォーツが優しく涙を拭いてくれました。
それから数日後、私はまた陛下からの招集がありました。
少し緊張していましたが、ベル様とクォーツの存在が私を励ましてくれました。
陛下は、今回も笑顔で出迎えてくれました。
「テレーシズ、よく来てくれたね。君の功績は素晴らしいものだったよ」と陛下がおっしゃいました。私は嬉しくて胸がいっぱいになりました。
そして陛下が続けて言いました。
「そんな君に、また頼みたいことがあるのだが、引き受けてくれるか?」私は力強く「はい!」と答えました。陛下は満足そうに微笑んでくれました。
しかし、なにか考えている素振りを見せたあと、ゆっくりと口を開きました。
「西の方に、魔女がいるみたいなんだ」
陛下は深刻な表情で語り始めました。「その魔女は、人々を困らせているらしく..............君に行ってもらうことにしたよ。」
私は驚きました。
ーー過去に、魔女であるフォルネウスさんと会ったことはありますが、彼女はとても優しい心持ちの方でした。
すぐに決意を固めました。
そして陛下に言いました。「分かりました!必ず解決してみせます!」
すると陛下は少し驚きながらも微笑みながら「ありがとう、テレーシズ!無事を祈っておる」と言ってくださいました。私は、ますますやる気に満ち溢れました。
こうして、私の新たな冒険が幕を開けました。
西の魔女の調査を引き受けてから数日後、私は旅支度を整え、出発の準備を整えました。
「テレーシズ、頑張ってね!」とベル様が笑顔で見送ってくれました。
クォーツは、寂しそうに私を見つめていましたが、すぐに私の手を取って「応援してるぜ」と言ってくれました。
二人の応援に、とても勇気付けられました。
私は心の中で決意を固めながら、街へ繰り出しました。
早速私は、魔女の居場所を突き止めるため、情報を集めることにしました。
街の人々に聞き込みをしていると、何人か気になる情報がありま した。
「西の魔女は、邪悪な力を持っている」という噂です。
私はますます魔女が危険な存在かもしれないと不安になりましたが、それでも真実を突き止めるために前へ進みました。
そして数日後、ついに西の魔女がいると言われている場所にたどり着きました。
そこには大きな森がありました。
木々が深く生い茂っており、薄暗く不気味な雰囲気でした。
私は勇気を出して森の中に入っていきました...............しかしその時、 いきなり背後から何者かに抱きつかれたのです。
私は驚いて、その衝撃で倒れてしまいました。私は抵抗しようとしましたが、身体を動かすことができませんでした。
朦朧とする意識の中で、私が最後に見たものは、不気味な笑みを浮かべていたフードを被った女性の姿でした...............。
そして意識が遠のく中...............私は不思議な感覚を覚えました。まるで、夢の中にいるような心地良い感覚が私を包み込んでいたのです。目を覚ますとそこは見たことも無い風景でした。辺り一面美しい花々が咲き誇り、小鳥たちが囀っています。
そんな光景を目にして驚きましたが、すぐに私は気付きました。これは夢なのだと..............。
しかし次の瞬間、目の前に一人の美しい女性が立っていることに気が付きました。フォルネウスさんに似た女性はどこか懐かしく、そして安心させてくれるような雰囲気を感じました。彼女は微笑みながら私に話しかけてきました。「テレーシズ、久しぶりね!元気にしてた?」私は混乱しながらもなんとか返事をすることができました。彼女は微笑みながら言いました。「ようこそ、私の仲間の家へ」彼女の言葉を聞いた瞬間、私は再び意識が遠のいていくのを感じまし た...............。
目が覚めると、そこは先程の森の中ではなく、小屋の中でした。私は身体を起こし、周りを見渡しました。すると、そこには先程の一人の女性が佇んでいました。
彼女は微笑みを浮かべながら話しかけてきました。「気がついたみたいね、家の前でこそこそ何をしていたのかしら?」彼女の言葉を耳にした瞬間、私の頭の中は混乱で一杯になりました。何故この場所に居るのか?彼女は何者なのか?様々な疑問が頭を過ぎりました。しかし、彼女は私の様子に気付きながらも微笑み続けました。
私は無意識のうちに口を開きました。「...............あなたは魔女なんですか?」私は彼女に尋ねました。彼女は微笑みながら頷きました。「ええそうよ。災厄をもたらすとか言われているわね」彼女はそう言いながら、私に向かって手を差し伸べてくれました。しかし私が恐る恐るその手を取ると、再びあの感覚が私を包み込みました..............そうまるで夢の中にいるような心地良い感覚でした。
だめだ、ふわふわしている場合じゃない。
「...............あなたのことを、調べさせていただきます」
私は彼女に言いました。
すると彼女は少し驚いた顔をしましたが、すぐに不敵な笑みを浮かべました。
そして、彼女は私の方に近づいてくると、私の手をそっと握ってくれました。その手はとても冷たくて、まるで氷のようだと思いました。
しかし不思議なことに、彼女の手に触れられていると安心する気持ちになりました。彼女が私の頭に手を伸ばそうとした時..............なぜか一瞬怯えてしまいましたが、何故か恐怖心はありませんでした。そして次の瞬間には温かい光が私を包み込みました。その瞬間、私の心は穏やかさで満たされていくような気がしました。
「ふぅんいいわよ、かわいい女騎士さん」
彼女は微笑みながら言いました。そして私の頭に触れました。すると、突然私の頭の中で何かの記憶が蘇りました..............それは遠い昔の記憶のようでしたが、何故か懐かしさを感じるものでした。
そこでは、驚くことにフォルネウスさんが穏やかな表情で笑っていました。
夢の中でのフォルネウスさんは、私の仲間と言っていましたが、本当なのでしょうか。
しかし次の瞬間にはその姿は消えていき。また新しい記憶が浮かび上がってきました。
そこには見知らぬ男性の姿が映っていましたが、私は彼を見て懐かしさを感じました。
それから次々と場面が変わっていきましたが、どれも同じ男性が登場していました..............。
もしかして、この人にとって大切な人なのだろうか..............そんなことを考えていると、急に周囲が真っ暗になってしまいました。
「もうおしまいね。」彼女はそう言って、手を引きました。
すると、少し残念そうな表情を浮かべたものの、素直に手を放してくれました。
「あなたは.............一体誰なんですか?」私が尋ねると、彼女は微笑みながら答えました。
「私は魔女のバーバラ.............そして、あなたの友達であったフォルネウスの知り合い、といったところかしら。」その言葉に、背筋が凍りました。
あのわんぱくなフォルネウスさんのお知り合いに、こんな方がいらっしゃるなんて.............。
しかし、それと同時に不思議な感覚に襲われました。
目の前の彼女が、とても魅力的に感じてしまったのです。何故だろう..............?私の心はどんどん彼女に惹かれてしまいました。
「私はテレーシズです。国王陛下の命で、あなたの調査に参りました」
私は、淡々と自分の目的について話しました。すると彼女は少し考えた後、ニヤリと笑いました。
「へぇ、そうなの?じゃあ、私のことを調べればいいじゃない」そして彼女は、私の頬に触れようと手を伸ばしてきましたが、私は咄嗟に身を引きました。
「私をからかうのはやめてください」私は冷たく言い放ちましたが、内心では少し動揺していました.............彼女は自身を魔女と言いましたが、一体何者なのでしょうか?
「別にからかってなんかいないわよ。...............ただ、あなたの反応を見たかっただけ」彼女の言葉を聞いているうちに段々とむっとしてしまいました。
しかし、ここで怒ってしまったら相手の思うつぼだと思い、深呼吸をして怒りを鎮めました。
「..............あなたはフォルネウスさんを知っているのですか?」私は冷静を保ちながら、尋ねました。すると、彼女は微笑みながら答えました。「ええ、もちろん知っているわよ」彼女はそう言いながら私の傍まで近づいてきました。
そして私の目を見つめながら言いました。
「でもね、テレーシズ...........あなたの情報はもう全部知っているわ」と。
.............彼女がそう口にした瞬間、バーバラの瞳から目が離せなくなりました............まるで吸い込まれてしまいそうな錯覚に陥りました。
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