第7話 復活
激しい嵐の夜だった。
祈りの像は、小国のエテロ王国の中庭の噴水の中に設置されていた。
エテロ王国に隣接するデシュタール帝国からの兵隊に、中庭でルク王女が囲まれていた。
「貴方が悪いのですよ。私の求婚を断るから、こうなったのです。手足を切断して私の部屋で飼ってあげますよ。お前ら、顔は傷つけないように生け捕りにしろ」
デシュタール帝国の第5王子のヘリヴィ・デシュタールが、兵隊に命令する。
ルク王女は、美しく胸が大きい小柄な女性である。雨に打たれて重くなったドレスをものともせずに、兵隊を数人倒したが、一人の兵隊の盾の攻撃を頭に受けて転倒してしまった。
「この屑が。女に簡単に殺されやがって、兵隊を減らすと兄上に怒られてしまう」
倒された兵隊の体をヘリヴィが踏んで罵る
その時に、落雷が噴水を直撃した。
10億ボルトの電気が裸の祈りの像を襲った。
ルク王女が、落雷があった裸の像を反射的に見てしまう。
「え?」
小さい頃から見ていた像の祈るポーズが僅かに違う形になっていた。しかも金属色であった像が、まるで裸の男性のような健康な肌の色に見えた。
しかも、像と目が合ってしまった。
「像が動いた?」
用語説明
落雷に関して
平均的におおよそ計算すると、電圧が1億Vボルト、電流が10万Aアンペア。
1億Vの電圧で10万Aの電圧を0.01秒流したとき、発生するエネルギーはその掛け算で100GWs(ギガワット秒)=28MWh(メガワット時間)
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