第5話 復活と停止
目がさめると、裸の私が復活していた。
横に、死亡している元私が血を流して横たわっていた。
「自分の死体を見ることになるとは……」
【データの完全移植に失敗しました】
マジで? どれぐらい?
【過去の記憶の15%をロストしました。埋め込まれた記憶用チップのデータは、コンプリートの100%で移植成功しました】
微妙な記憶喪失だな。
しかし、既に脳が無くて回答してくれている君と同じ存在なのでは?
【多くの規約事項が違います。私は施設の管理人工頭脳プログラムのレプリカなので、ロボット三原則厳守ですが、貴方には規約がありません】
ロボット三原則?
【人間への安全性、命令への服従、自己防衛です】
果たして私は、人間だろうか?
まあいいや、君に名前つけたいが良いかい?
【名前ですか? 構いません】
では、私を導いてくれるから、指標インディックスのインディって呼ぶよ。
【インディですか?了解しました。残念なお知らせがあります】
どうした?
【地上の補助電源と自分の身体のエネルギーが枯渇しました。後5分しか活動できません】
どうすれば補充出来るんだ?
【日光に当たるか、強力な電波を受けるか、交流もしくは直流の電気を取り込むしかないのですが、現在の周囲の状況では絶望的です】
動けなくなるとどうなるの?
【思考の停止と肉体の金属化が起こり、そのまま外部からの供給がない限り永遠の眠りにつきます】
そうか……冷凍睡眠してからアクシデントだらけだったな。
最後にインディと話せて良かったよ。
【なんでしょう……不思議な思考です。しかし悪くないですね。私も貴方を……昇の安全性を確保出来ず、すみません】
せめて変な格好はやめよう。
目を閉じて何かに祈る格好をして、そのまま硬化して意識を失った。
用語説明
エネルギーの摂取に関して
日光は太陽の化学反応で発生する波長でありその波長から発電が可能である。
電波は、電波を電気で発生可能であり、電波を逆に電気に変えることが可能である。
交流電気は、電気の波でありそれ自体でエネルギーとして使用可能である。
直流電気は、一般的な電池と同じで一番簡易なエネルギーとして使用可能である。
ロボット三原則
ロボットが人間を害しないように元となる原則で、全ての機械には組み込まれている。優先順位は、人間への安全性、命令への服従、自己防衛となり、安全性が最重要になっている。
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