第14話 犯人と意外な人物の登場
上映会2日目、朝、上映会の準備をする時間に僕は上映会を行う教室に向かった。
後ろには、河合がついてきている。河合には僕が気付いた真相を話した。
「一夜を同じ部屋で明かした仲になったんですね、私たち!」
河合が冗談を言っているが、目元には陰りが見えた。空元気というやつだろう。無理に明るく振舞い、僕を元気づけようとしているのかもしれない。
「まあ、そうなるか…」
僕は冗談に対してツッコミを入れる気力も無くなっていた。昨日の処女作の上映から色々なことがあり過ぎた。しかも、今日これから犯人と対峙いや対話することになるかもしれないのだ。疲れや怠さがドっと押し寄せてくる。
教室に入ると北野やその他の1、2回生たちが既に準備を始めていた。
「あれ、これって昨日のままじゃないですか?いいんですか?」
と北野が不思議がって言ってきた。
「いや、これでいいんだよ」
僕は諭すようにそう言った。
僕も手伝って準備が一通り終わると、
「おはよう!」
図ったかのように遅れてきた沢村会長がちょうど来た。昨日から今日の深夜にかけて、聞いた一条先輩の話の内容から、僕は少し彼の顔面を殴りたい衝動に駆られたが…ひ弱な僕が
そして、何事もなかったかのように上映会が始まった。
時間が過ぎるのは早いもので、やがて…僕の作品の上映時間前となった。上映時間前のまだ教室の明るい時間帯に僕は、前方真ん中の席に座った。スマホを触っている風を装い内カメラ機能で後部座席を眺めていると、教室の後方からあの
そして、何故か彼の直後、一条先輩がそっと教室の後方ドアを開けて、一番後ろの席のドア側に座っているのも見えた。
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