死後、人生をやり直せるとしたら、あなたは…

主人公が亡くなった後、導かれて訪れたいわゆる「あの世」で、現に干渉して人生をやり直す話。しかし、干渉する方法は一つしかない。現世に残してきた人々の夢枕に立つこと…。

人生というものにおいて、人はさまざまな困難に直面します。こんなことに意味があるのか? これだけ苦しんだことに対する見返りは? なぜ自分だけがこんなに辛い目に遭っているのか。

そうして、みんな徐々に忘れていきます。子どもの頃ほおを包んでくれた親の手の温もり。初めて授かった子供を抱いた時の心もとなさ。パートナーと共に歩んできた道のりの豊かさ。

主人公と共に、そうした一つ一つを再獲得していくうちに、温かなものが胸に満ちるのを感じる。

これは、全てを失った主人公が、本当は最初から手の内に全てがあったことを思い出すまでのお話です。