第61話 獣人の娘
第61話 獣人の娘
レクサム『ここら辺だと思うんだが…』
シェルピー『あそこです。』
シェルピーさんの指さす先に目を向けると、巨木が佇む森の中に開けた場所が広がっている…その中央部辺りに1人の少女らしき子が、座り込んでいた。
レクサム『罠かもしれないな…シード召喚術!』
シード『俺かよ!見た感じ女の子が1人か…念の為攻撃は避けるよう命令する』
シード『召喚術「下階」ホワイトウルフ』
パメラ『可愛い犬ですね』
シード『狼だ…犬じゃ無い』
レクサム『本当だ。可愛い犬だな』
シード『名前にウルフってあるだろ…つまり狼だ。』
ホワイトウルフ『クゥーンクゥーン』
シェルピー『どうやら喜んでるみたいですね』
ゼイル『ホワイトウルフって絶滅寸前だった種だろまだ生き残っていたんだな…』
ゼイル『何でも毛皮が価値があるってさ』
レクサム『よく知ってるな』
ゼイル『盗賊は奴隷だけでは、儲けられないからな…絶滅種の売買も行ってたんだよ』
シード『ああこいつは、その盗賊から取り寄せている商人から俺が、買い取ったんだ。』
レクサム『道理でな』
ゼイル『他にもブラックウルフやブラッディウルフも存在するんだよな』
シード『ああ!その子達も召喚術で呼び出せるぞ!』
ゼイル『マジか!』
シード『またいつか呼び出す時にでも呼び出してやるよ!あいつらは、凶暴だから俺以外の人に攻撃するかもしれないからな…』
シード『ホワイトウルフ…怪しい匂いや動きはないか嗅ぎ分けてくれ』
ホワイトウルフ『ワフッ!』
ホワイトウルフは素早く巨木に身を隠しながらも、周囲を嗅ぎ分けてから戻ってきた…すると…
ホワイトウルフ『異常は無い…どうやら腹を空かせている様子だ。』
パメラ『今…喋りました。』
シェルピー『とてもクールな声です。』
レクサム『翻訳魔法か…器用だな…』
シード『設定はクールにしてみた。他にも女性の声だったり力強い男の声も出せるぞ』
オウガン『出来れば女性の声が良かったのですが…』
シード『文句は言うな…この声が気に入っているんだなんか合ってるしな…』
レクサム『それじゃあ近づくか…』
私達は、座り込んでいるその子に近づいて行った。
するとある大きな音が聞こえた。
「ギュルルルルル」
レクサム『かなり腹を空かせているようだな』
オウガン『早く食べ物を』
グラドール『これは…人間の優しさが見られるかも知れませんね…』
?『お腹が空いてもう動けません』
リンフェル『わたくしはリンフェルですが...お腹が空きました...もう死にそう…』
ゼイル『おいっ誰か...飯』
レクサム『食いかけいるか?』
ゼイル『飢えて死にそうな子に食いかけ渡すかよ!』
リンフェル『それでも良いのでください!』
ゼイル『はい新しいパンだ!食え』
ゼイルからパンを貰うとものすごい勢いで食べる
凄い食欲だ…それだけでは治らずに保存魔法で保存してある食料を全て平らげたのだった。
レクサム『これじゃあ…食料調達からだな…』
リンフェル『満腹!満腹です!』
ゼイル『どうやら…満足したようだぞ!』
リンフェル『皆さん本当にありがとうございました。このご恩は必ずお返しします。』
レクサム『あっ!それだが…丁度アニマル族の嬢ちゃんと会ったんだし…獣界までの道を聞き出そうぜ…どうやら道に迷ったらしい…俺たち』
ゼイル『えっ!これ!迷ってたのかよ!』
レクサム『いやあ…飛行魔法で巨木の頂点から目印を見つけられるかなと思ってだんだけど…その代わりに、アニマル族の嬢ちゃん見つけられたし良いんじゃねと思って…』
ゼイル『そうだけどよ…』
シード『その為の飛行魔法だったとはな…』
オウガン『本当に…レクサムの行動は読めませんね…』
レクサム『でっ…リンフェルと言ったな…獣界までの道のりを教えてくれ…それがさっきの食料の借りの分だ。』
リンフェル『獣界に行くためにはとある...獣道を通らないと行けないようになってるのです』
ゼイル『獣道っておい...』
レクサム『何か結界術の様な仕掛けがある様な物言いだな…』
リンフェル『此処です』
ゼイル『案外近!さっきまで俺達が居た場所見えるじゃん!』
リンフェル『結界術?あああの…「ガルドット」おじちゃんがいつも得意とする魔法術ですね…そんな大層な仕掛けは、ありませんよ…近道みたいなものです。分かりずらいのは、入り口だけですので…』
レクサム『成程な…自然の力で隠された道か...いかにもアニマル族らしいな…』
巨木の根元には、自然で出来ている巨木の根と土でトンネルの様な道が続きていた。
中は、涼しい風が通っていた…
シェルピー『とても涼しいですね…』
リンフェル『しばらく歩きますよ…』
リンフェルの後をしばらくついていくと光が見えた
リンフェル『トンネルを出ますよ!此処が私の生まれ故郷「王立国ムアローグ」です。』
光が照らす先には、アニマル族という獣人が住まう国が広がっていた。
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