第60話 魔導協会認定の危険存在

第60話 魔導協会認定の危険存在


フィンゼル『今回は、私…フィンゼル・ルート・ゼスティアが進行を務める…』


フィンゼル『毎年…例の食人部族によって多くの冒険者が命を落としている』

フィンゼル『奴等の活動区域は、日々拡大し今では、新たな討伐隊の派遣は困難を極める程に数を増している…』


?『発言しても…』

フィンゼル『ソリス・レア・クロスレッド…発言を許可する』


ソリス『食人部族「グシャハギ」』

ソリス『この魔の存在は、数による厄介さがあります。近頃…再び姿を現し始めた「魔龍セルターン」はあの「魔王」に匹敵する程の力を持ちます。』

ソリス『それに比べて討伐難易度は下がります。』


ソリス『現在精霊界と獣界はこれらの存在によって変わりつつある…』


ソリス『即刻討伐隊を結成し迎え撃つべきです。』


?『もし…そやつらを倒すものがいたとしたら…それでこそ大きな功績でしょう』


?『まさかそんな者が現れるとでも…』


?『検討はついております…例のギルドを倒して回っている者と珍しい髪を持つ少女の仲間達が活躍していると会長が注目しております…根拠の無い物言いは断じてしておりません…』

?『図に乗りおって…』


フィンゼル『静粛に…』


フィンゼル『ラザリアス・マーゼリス…彼の発言には…確かに誤りは有りません…事実です。』

フィンゼル『先程のラザトーム・エバンダリアの発言にあった「大きな功績」とは、皆さんも検討がついているはずです。』


フィンゼル『今まで誰1人として…グシャハギ討伐に成功した者は存在しない…魔力も特性も無いと報告されている魔の存在であり…種族さえも謎に包まれている存在…では何故それ程の危険性があるのか…それは「圧倒的な数」です。』


フィンゼル『先程…テュリスで例の者達が入界したと報告を受けております。』


フィンゼル『彼等に任せてみてはどうでしょうか?』

フィンゼル『冒険者に賭けてみるのです。』



シェルピー『それにしても…凄く高い木ですね…』

レクサム『ああ…これは「シンボルビアの巨木」と呼ばれていてな…最も低い木でも「120メートル」はあるんだ…』


シンボルビアに佇む木はどれも巨大であり私のような小さな身では、偉大に感じる程だった…


パメラ『とても…高い木…天辺が見えません…』

レクサム『上…見てみるか?』

パメラ『はい!』

レクサム『皆…俺の側に近づいて来い』


言われるがままレクサムの近くに、近づくとレクサムがとある魔法術を使う


オウガン『これは…』

シード『飛行魔法か』

レクサム『ああ』

レクサム『行くぞ!』


地面に着いていた足が急に軽くなると、途端に宙に浮く…


パメラ『浮きました』

シェルピー『飛行魔法も扱えるんですね』


レクサム『飛ぶぞ…下見るなよ』


勢いよく宙に舞う…何と一瞬で巨木の、天辺まで登っていた


レクサム『降りるぞ…丁度いい枝がある』


オウガン『私…吐きそうです。』

シード『我慢しろ』

ゼイル『にしてもお前が、飛行魔法を扱えるとはな…もしかして瞬間魔法もか?』


レクサム『扱えるぜ当然だろ…応用術はほとんど習得してあるだが…』

ゼイル『だが?』

レクサム『保存や料理などの日常魔法が駄目だった』

ゼイル『お前…料理心無さそうだもんな』

ゼイル『俺は出来るぜ…面倒くさいけどな』


レクサム『どうだ…パメラ…目を開いて見ろ…怖く無いぞ…』


私は、ゆっくりと目を開く開くと、光が差し込みそのすぐ後に、巨木が並ぶシンボルビアの光景が広がっていた


パメラ『綺麗…』

レクサム『ふぅん…そうだろ』

ニイ『私ならもっと優しく飛べましたけど…』

オウガン『ニイさんにして欲しかった』


シェルピー『あそこ!人が座り込んでいます。』

レクサム『よく見えんなお前…視力良すぎだろ』

ゼイル『本当だな…確かに人が座り込んでいる…あれは…アニマル族か?』

パメラ『困っているみたいです。』

レクサム『まあリーダーが、助けるって言ってんだ。付き合うしか無いな…』

シード『リーダー?』


巨木が並ぶ風景の先の開けた場所に、ポツンと座り込んでいる人影が見えたシェルピーさんだが、ただ座り込んでいる見たいでは無く何やら困っているようだった。

私達は、様子を見に行く事にした。


レクサム『にしても腹減ったな…パン食うか…』

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