第7話 迷いの森

唐突にレクサムが呟く

レクサム『あそこには、(ギルド養成所)があるだから向かう』

ギルド養成所は、その名の通りギルドと

して活躍する為に各地から集まった者たちが、戦いや冒険それに数々の危険な場所・魔の存在を学び世に送り出す事を目的とした場所だ

私は、内心少しギルドに興味があった。

生前行くことの出来なかった

『学校』という場所

そこに似ている気がしたからだ

聞いた時からワクワクしていた

でも何故そんなにレクサムはギルドを恨んでいるのか?

それも気になっていた

でも上手く聞き出せない

何故なら、ギルド養成所があると言った瞬間怖い表情をしたからだ…


すると辺り一面が霧に包まれた

目の前が、急に白く包まれ私は戸惑いを隠せないまさに、パニック状態になっていた遠くでレクサムの声が聞こえる…

レクサム『しまった迷いの森だったおい、パメラ何処にいる返事しろ』

私も必死で声を出すだが、この霧はその声をも惑わすものだった

レクサム『クソッおい、パメラ決して探し出すからな俺はもう2度と同じ目には合わせたりしねぇ』

彼の声が途切れる私は恐怖と不安こそあったが涙を堪えた

霧も初めてだった…自然が牙を剥くそれは私達人間には時に脅威となり得る

私は、初めて自然が牙を剥く瞬間を見た

レクサムの声を聞かなかったら

今私は泣き出していただろう


すると今度は、ニイさんとシェルピーの声が聞こえる

良かった2人は共に行動しているらしい

レクサムが言っていたんだ

ニイさんは頼り甲斐のあると

再び声が途絶える

あたりは白い霧が覆い聞いた事もないような鳴き声が聞こえる

恐怖に耐えるなんて時間の問題だ

私は走り出した

辿り着く事に賭けて

それは、また新たな出会いの始まりでもある

霧の中でも感じ取ることの出来るぐらい広い場所に出た

どうやら人の話し声が聞こえる

?『誰だ』

私は必死で声を出す

パメラ『友達と逸れました』

?『旅人?ここが迷いの森だと分かっていたのか』

パメラ『いいえ分かっていません』

?『…』

?『声からして幼い子供のようだここは危ない私たちが保護する』

白い霧から姿を現したのは、身長がかなり高い大人のお兄さんだった

近くにいた兵士のような方達も駆けつける

?『いいかい?決して離れないでね』

兵士の1人が口を開く

兵士『ラグス閣下この者かも知れませんよ』

どうやらラグスさんと言うらしい

ラグス『もしそうだとしたら私は裁けないな』

と優しく微笑む

彼の名は『ラグス・ティル・ゼメール』

共同国ヴァラメンスの隣接となる国

王立国リートグルムの最高戦力と称される方だ

この時の私は見ず知らずの人たちに先導されるあまり

緊張が勝っていただろう

唐突にラグスが気配を察知する

ラグス『下がってバトルウルフだ』

目が赤く光る大きなオオカミが姿を現す

兵士『こいつがいるってことは』

ラグス『ああ、近くに変異がいるかも知れない』

変異とは魔の存在の極一部が姿を変化させ通常の個体とは比べものにならないぐらい凶暴になり手強くなる事を指す

ラグス『バトルウルフ自体は問題ない』

と言うと物凄く早い剣捌きで魔の存在を

打ち倒す

剣一本で魔の存在の大群を倒したのだ

ラグスはレクサムと同様気を緩めない

野生にとって気の緩みは、自死へと繋がるほんの隙をついた最後部の兵士の1人が何者かに襲われる

ラグスは、一瞬で私の目を塞ぎ見えなくする

ラグス『ソルジャーウルフだ警戒しろ』

変異個体が出たのだ

バリバリと何かを砕く音が聞こえる

それと同時に怯える声

ラグス『同志をすまない』

ラグス『この子の目を覆っていてくれ』

兵士『分かりました』

ラグス『抜かったこれは、私の責任だ部下を命安くは無いぞ』

すると、ソルジャーウルフという魔の存在が怯え始める

一瞬だった

ラグス『ライジングスロー』

突如として雷が落ちたような轟音が辺りに響く

焼けた匂いと共に黒くなった地面があった

兵士『終わりましたね』

兵士『ポルトすまない』

ラグス『これは私の失態だ部下を1人亡くした』

兵士『いえポルトも閣下を責めたりはしません我々魔導兵部隊は国に忠誠を、誓った一国の兵しかし私達には経験が浅すぎました』

ラグス『ソルジャーウルフあのようなものが出でるとはここも随分と変わった』

ラグス『これは急ぎ陛下にお伝えせねばならない』

ラグス『だが、旅の者もお疲れだろう近くに(セルミナ)の町があるそこで本日は泊まるとしよう』

ラグス『この骨をご家族に帰さねばならない』

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