第16話 通知を急いで隠しているけれど、全部見えてるよpart2
「あぶねぇ…… 」
誤って声を漏らしてしまったパンジーに少し意地悪をしてみようと思う。
「何があぶねえの? 」
「あ、いや…… 危ないと言うか…… なんか緊急とかだったらヤバいじゃん…… 」
俺がパンジーに問いかけると、パンジーは動揺して言葉がうまく出ていない。額には薄い汗が光っていて、表情は弱々しい。まるで店の前で呼び止められた万引き犯のようだ。
そんなパンジーが可愛くて、まだまだ困らせようと考えてしまう。
「通知がチラッとは見えたんだけど、正確には見えなかったな。なんかメッセージっぽいような…… 」
俺はそう言ってからパンジーの表情を伺う。
パンジーはドキッ! っとしたように一瞬跳ねてから平常心を装うように澄ました顔をしている。
そしてこのまま黙っていると怪しまれると思ったパンジーは何かもじもじしながら言葉を発する。
「あ、あれは妹からのメールで… 全然女とかじゃないし…… あっt!? ちちちち違ぅ… 」
あーあ言っちゃった。流石にここまで早く口を滑らせるとは思っていなかった。まだまだ逃げ回るには簡単な状況だったはずだ。それなのに自分から話してしまうとは。
流石にウソが下手すぎるだろ。せっかく泳がせておいたのに、これではもう続かせるのは無理だろう。
もうここまで来たら問い詰めてしまおう。
「女からメール来たんだ? 誰? 」
俺がパンジーに聞いてみると、(なんで知ってるの? )みたいな顔をされた。
流石にあんに口を滑らせておいて、バレていないと思う方がおかしいだろ。
初めは通知に気づいていなかった石津でさえも気づき始めているくらいだ。
普通の人が気づかないわけがなかった。
それでもパンジーは一瞬、ウソを貫こうとしたが、松永の前ではバレてしまうだろうと考えて、ようやく話し出した。
「実は…… 」
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