第14話 友達の携帯でTikTokを見ていたらその画面に女からDMが来て!?
風呂上がりの俺たちは、特に何をするわけでもなく、ただただ各々が自由に過ごしていた。
スマホゲームをする者やSNSをチェックする者、雑談をする者など様々だった。
そして俺は、パンジーと一緒にTikTokを眺めていた。
TikTokは短い動画がいくつも流れていて、1つ1つの時間は微々たるものだけれど、気づいたら大量の時間を消費してしまう恐ろしいアプリだ。
あまりの時間消費の多さに恐怖を感じてアプリを削除したくらい時間が過ぎていくのが早い。
しかしパンジーがTikTokを隣で見ていたので、久しぶりに覗いてみることにした。
パンジーのスマホを覗きに行くと、こちらを見たパンジーは一瞬疑問の表情を浮かべる。
しかし、俺が黙ってスマホを眺めているのを見て、一緒に見たいのだと理解したようだった。
久しぶりのTikTokなので、どういうものが最近の流行りなのか楽しみだった。
動画を見ていくと、動物のおバカシーンやダンス動画など色々な動画が流れている。
パンジーは俺の表情を見ながら、動画のスクロールを考えているようだ。
俺が目を光らせれば、動画を最後まで視聴し、逆に興味が薄そうならスクロールする。
それの繰り返しで、パンジーも人に合わせることができることに感心した。
しばらく動画を見ていると、最近の流行りがだいたい見えてきた。
最近は浜辺美波と山田涼介がよくTikTokで流れてきていて、他には大食いやダンス動画、スポーツ、テレビの切り抜きなんかが流れていた。
俺がTikTokを見ていた時は、空中ウォークなどが流行っていたけれど、今はあまり流れていないようだ。
TikTokの流行りの入れ替わりが早いのは知っていたが、まさかここまで早いとは…
そんな入れ替わりの早いTikTokを、時間を忘れて俺とパンジーは見続けていた。
俺とパンジーは、時間がそんなに経過している感覚はないのだが、みんなは違うようだ。
俺とパンジーが長時間スマホを見ている事を不思議に思い、何を見ているのかとみんなが集まってきたのだ。
ただTikTokを見ているだけなのだが、2人で見ていることが気になったみたいだった。
「2人でイチャイチャ何やってんの? 」
1つの画面を2人で見ていたので距離が近づいていた俺たちに向かって、松永が軽口をたたく。
「ちょっと、これ見て、めっちゃおもろいから」
パンジーは松永の軽口には反応せずに、自身が気に入った動画を松永に勧める。
パンジーが松永に動画を勧めると、自然と他のみんなも興味深そうに集まってきた。
そしてパンジーが動画を再生すると、みんなで一緒にその動画を視聴した。
その動画は、TVの一場面を切り取った芸人の粗品が華麗なツッコミを見せている動画だった。
俺はこれを見るのが2度目だったので反応は薄かったが、初めて動画を見るみんなのリアクションは思ったよりも良く、みんな声を上げて笑っていた。
笑顔のみんなを見て、パンジーはなぜか得意げな顔を見せている。
そして、この動画のウケが良かったことで調子に乗ったパンジーが、もう一つ動画を紹介し始める。
そして再びパンジーが再生ボタンを押した。
みんなの視線が一気にパンジーのスマホに集まった。
そして動画を再生させたちょうどその時。
ブルルンッ
パンジーのスマホから通知音が鳴る。
そしてスマホの上部にメッセージが表示された。
(今から電話しない? 優香 )
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