第13話 泊まりに来ていた友人の好きな子に電話させたらとんでもないことに!?
コビオがビビり散らかすのを十分に楽しんだ俺たちは、心霊スポットから石津の家に戻っていた。
家に戻ると、BBQで匂いがしみ込んだ服を脱いで、洗濯かごに入れた。
石津が洗濯を許可してくれたので、俺たちはありがたく洗濯機を使わせてもらうことにした。
6人分の洗濯だったので、洗濯機はパンパンになっていた。
あふれそうになる服たちをぎゅうぎゅうに押し込んでから、スイッチを押す。
スイッチを押して洗濯が始まると、俺たちはシャワーを浴びることになった。
さすがに心霊スポットやBBQをしてきた俺たちが、そのまま布団に入るのは抵抗がある。
石津やパンジーは気にすることはなさそうなのだが、家の人に申し訳ない。
石津の家は木造の広々とした家で、昔のお金持ちが建てたというような印象を受けた。
俺たちが使うことを許されたリビングは教室ほどの広さがあり、俺たちが使うには余るほど空間に余裕があった。
そんな石津家は風呂場もなかなか広く作られていて、数人が一緒に入ることもできるようだ。
俺たちは3人ずつに分けて風呂を借りることにした。
風呂上がり 午後10時
全員が風呂に入りさっぱりとした俺たちは、一面に敷いてある布団の上に転がっていた。
湯船にゆっくりとつかって血行がよくなった頬に、ヒンヤリとした質感の布団が触れて心地いい。
体温が上がった体はツヤがあり、しっとりとしてやわらかい。
いつもはベッドの上で窮屈に寝ているけれど、今日は何回転でも寝返りがうてる。
6人分の布団がこの広々としたスペースに敷かれていて、どこまでも広がっているような感覚だった。
この広い空間に倒れていると、だだっ広い草原の上で寝ころびながら空を見上げているような感覚すら感じる。
自分の布団のすぐ横にもまた布団が敷かれていて、自分の場所だけでは飽き足らず、隣の布団にまで侵入したくなる。
寝返りを永遠に打てそうな程に広いこのスペースになんとも言えない幸福感に包まれ、そして6人全員の布団に転がりながら侵入していった。
俺のすぐ隣には松永の布団が敷かれていて、自分のスペースに転がってくる俺を見ながら、うっとうしそうな視線を向けてくる。
俺はなぜかその視線に居心地の良さを感じて、親のあきれる表情をみて悪びれる子供のように、さらに深々と松永の布団に進行していった。
「おいおい、どこまで進む気だよ? 」
「さあ、どこまでかな(笑)」
俺たちはガキのようにくだらない時間を過ごした。
そして、さらに面白いことが起きようとしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます