episode35 汗
楽しい時間とは直ぐに終わってしまう。感覚というものは不思議なものだ。
休憩時間が終わり僕は妹と別れ、会場に戻る。
会場に戻るとチームの皆が俺を探していたみたいで、チームの皆に連れていかれる。
「ごめんなさい。それで、何で探していたのですか?まだ時間は十分にあると思うんですけど…」
「それは、最初の1、2、3番と15、16、17番は追加で一試合あるのよ。知らなかったの?」
と、八雲さんが教えてくれる。てかもう一試合追加って…ふざけんなよっ!
「知らなかったです。すみません。」
「まぁいいわ。それより受付の所へ行くわよ。」
そうして僕たち4人は受付の場所まで移動する。
移動中、やはり一人の視線を感じる。だけどそこに人がいない。どういうことだ?もしかして幽霊?!いやまぁそんなこと…って能力の仕業があるからあり得るんだよなぁ。まぁ裏の顔は見たくないし気にしない気にしない。
そして受付を済ませ、前の戦闘が終わるまで待つ。暇つぶしに鑑定(アプレイゾル)を発動する。
♦
約5m先、炎帝結界(インフェルノ)が仕掛けてあります。
♦
またか。やはり同一人物が仕掛けているのか?まぁとりあえず破壊だけしとくか。
僕は本日3回目の破壊(ブレイク)を発動し、結界を壊した。正直飽きたし、面倒くさい。けれども警戒はしないとな。僕は、あきれながらも試合が終わるまで待った。
10分ほどの時間が過ぎ、僕たちの番が来た。
舞台に立ち、相手を見つめる。相手はまた、LAMIA学園しかも3年2組だ。上級生の2組となると、個人単体の強さも強くなってくる。さっき2人で押されてたこの3人では歯が立たないな。
「ほう。3年3組全員を倒したのが貴様か。噂になっておるぞ。」
「そうですか…。」
明らかに柄の悪そうな魔王キャラの人が話してきた。
あと噂になっているのが知らないんだが。後で麗に聞いておこう。
「だが、3組と2組では格が違う。まずはそこの貴様以外の3人まとめて掛かってこい。こいつが相手だ。」
そういい、隣にいた女性を前に出す。なんか凄そうなオーラを感じるのだが。
「ああ?やってやんよ!風切り(エアカッター)!」
花村さんが風の衝撃波を出す。だが、衝撃波が当たったのにも関わらず平気に立っている。
「そんなもの?じゃあこちらから。」
そう言って女性は動いた。僕には見えたが普通の人の動体視力じゃ追いつけないほどの速さで迫っていた。
バンッ!ドォォォーン!
壁までぶっ飛ばされ、衝突する。だが衝撃波の方がヤバかった。この衝撃波で八雲さん、桜井さんが花村さんのようにぶっ飛ぶ。
見た感じ生きてるから安心した。僕は額から汗が出るほど緊張していた。もし、この人が最低戦力だとしたら……。厳しい戦いになりそうだ。
「さて、次は貴様の番だ。全員で行くぞ。精々耐えるがよい!」
そうして1対4の理不尽ゲーが始まった。
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