episode33 氷の壁
「身体強化!」
「強制幻覚視聴(イリュージョンウォッチ)!」
その掛け声と同時に、目の前に溶岩の雨が大量に僕をめがけて降る。ははは、冗談は止めてほしいな。とりあえずガードを張っておくか。溶岩に耐性があるかわからないけど。最悪使いたくないけど他の能力も使えばいいしね……。
「氷の壁(アイスウォール)。」
「きゃっ!エイ!ってなにこれ…壊せない!」
とにかく僕は目立ちたくなかったので氷の壁を自分の周り360°に張り、サナギ状態になった。
どうやら氷を張ったタイミングで相手を巻き込んだらしい。なんか皆巻き込まれすぎじゃない?まぁ僕にとっては都合がいいけど。それでも相手は女子。流石に手加減はする。気絶をさせるだけだがな。
そして相手に近づく。
「いやっ!こっちに来ないで!ここでやられたら…」
「眠れ。」
トンッ!バタッ!
相手の首をチョップし気絶をさせた。アニメや漫画でやっている気絶の方法を試してみたらマジで気絶した。正直一度やってみたかったから本気で嬉しい。
あっ!そう言えばマグマは…って全く氷が溶けていない。やっぱ氷にマグマ耐性が付いているのかな?とは言えど、ここから出ないと攻撃はできない。でも外に出たらマグマで死ぬ。うーん……
そして一つ案が思いついた。防御創作(タンククリエイト)を使うことだ。そうすれば防御しながら相手に立ち向かえる。ならすぐに実行だ。
僕は刀を振り、防御系道具を出す。
兜に鎧、盾が出てきた。これなら防御しながら進める!そうして僕はすぐに装着し、氷の中から飛び出した。相変わらず溶岩の雨が降り注いでいる。
盾を傘代わりにしていると、もう一人の相手が話しかけてきた。
「貴方、あの子を倒したの?」
「ああ、倒した。」
「そう。なら降参だわ。私に攻撃手段は無い。よって4人とも戦闘不能よ。」
え?攻撃手段がない?バリバリ雨降らせてたじゃないか。とりあえず鑑定っと。
♦
名前 馬場 アイカ
性別 女
LAMIA学園3年3組
能力 強制幻覚視聴(イリュージョンウォッチ)
幻覚を念じた相手に強制的に見させることができる。だがあくまで幻覚なため、ダメージなどは与えられない。
♦
なるほど。あれは幻覚だった。だから氷が溶けなかった。いやまぁマグマ耐性があるかもしれないけど!
まぁ終わったことだし、さっさとベンチに戻ろう。そうして僕は先生に合図を求める。
「先生、終了の合図をお願いします。」
「ああ、そうだな。この試合、Falsum Atlantis学園1年3組の勝利ぃ!」
チームの3人は回復能力をかけてもらうらしいから問題ないか。そうして僕はベンチに戻った。
やっぱ視線を感じるな…まっいっか。
……………………………………
「あの戦い方…。あいつはやっぱり能力値Fって者じゃねぇ。低くてA…いやSはある。あいつを殺せるのか俺は。まぁこの能力なら氷も溶かせれるからいいかwワッハッハーww!」
影に隠れ、ルイを見て笑う者がまた一人いた。
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