episode32 3対2(花村視点)

「風切り(エアカッター)!」


開始早々、俺はいつも通りの得意な技を出す。相手は2人。小鳥遊の方は…まぁ大丈夫か。

!!!相手の3年生は華麗によける。隙を狙ったはずなのに…!


「あらあら危ないわねぇ。」


「じゃあお返しに!強制幻覚視聴(イリュージョンウォッチ)。」


マジか……隕石が降ってきた。これは俺の風切り(エアカッター)も効かない…。

死ぬ。と思った時。隣で必死に立っていた八雲が能力を発動する。


「空間加護(エリアバリア)!」


俺たちの周りに薄緑のバリアが張られる。でも隕石に耐えれるかどうか……


約20秒後、隕石がバリアに直撃した。が、隕石は消えていつも通りの光景に戻った。俺たちは何が起こったのか分からなかった。呆然としているうちに後ろに気配を感じた。後ろを向きながらガードの体制をとる。


「あら、私の気配を察知してガードをするなんて。あなたなかなかやるわね。それでもっ!」


バンッ!ブゴッー!バァァァン!


ガード越しにもう一人の3年生が拳をたたきつけてきた。クソ痛い。どうしたらこんな馬鹿力が出せるんだよ。


「はぁはぁ、これからだ!風切り(エアカッター)!」


「あら、そんな技よけて差し上げましょう。」


3年生目掛けて風の衝撃波が飛ぶ。だが3年生は華麗によけ、見た限り少ししかダメージが入っていなかった。


「少し痛いですわね。ですがこれぐらいの傷はどうってこともないです。そちらが衝撃波で攻撃ならこちらも。ふんっ!」


3年生が地面を思いっきり叩き、地面割れが人工的に起きる。筋力やべぇと思いながら不慣れだが僕の能力を発動する。


「風飛行機(エアジェット)!」


本来なら速度を出して急上昇し、相手目掛けてぶっ飛ぶ技なのだが僕の能力値だと無理だ。だから浮く事しかできない。だが今にとって好都合だ。地割れによる攻撃をよけれた。


「貴方、近接だと弱いらしいわね。じゃあこれはどう?」


3年生はそう言葉を放って、高く飛んだ。俺の1m前で止まったが、今度は回転をし蹴りを入れてきた。


バァァァン!


俺はまともに喰らい、激しく地面に落下する。立ち上がろうとしたが、


「痛っっ!」


尻が痛くて立てなかった。このままじゃ……やられる。

八雲たちの方は……随分ヤバいようだな。小鳥遊の方は……まぁ問題ねぇか。


「貴方も、貴方の仲間もそこまでのようですね。それでは……」


ドォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーン!!!!!


なんだ?!すごい音が響いたと思ったら目の前に小鳥遊が居た。

さすがに音がやばかったのか、3年生2人とも集まった。


「貴方が最後の一人?」


「あの二人を倒したとなるとかなりのやり手みたいね。」


そして小鳥遊と2人は戦闘開始するのを見ることしかできなかった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る