episode25 準備

僕たちは今日いつもより30分早く起きた。なぜかと言うと代表メンバーだけ校門が開く30分前に招集がかかるらしい。


「はぁ……なぜいつもより早いのだろうか。これならゲームした方がマシだろ。」


「お姉ちゃん!そんなこと言わないの!せっかくの代表メンバーなんだから!」


大きくため息をつくと麗に注意された。僕は軽く返事をしながら学校へ行く準備をしていく。特別持っていくものはないが、少し武器などはあった方がいいと思う。確か武器はありのはずだし。なので作ってみることにした。


形は日本刀のように、そして軽く切れ味抜群。さやは夜月のように輝いて、そこまで派手ではないもの。僕は形を想像しながら無詠唱で、創作(クリエイト)を唱える。


ピカッ!


光って出てきたのは思い描いた物で、形も完璧だ。さやの柄も思ってたよりカッコいい!切れ味は……学校へ行ってから試すことにしよう。光って目立ってしまったのか麗が近づいてくる。


「わーこれ、お姉ちゃんが作ったの?!すごーい!」


いきなり褒められたので少し照れる。

そうだ、刀に能力を付与してみよう。恐らく魔法道具(マジックアイテム)と同じようにすれば問題ないと思う。ちょうどよく、最近学校で付与の仕方を教えてもらったところだし、実践してみるのもありだな。

そうして僕は、刀に手を覆いかぶせ、氷(アイス)の能力を少しずつ与えるように発動する。


能力を与え始め約5分。僕は能力の付与を完了した。


「よし、ちょうどいい感じだな。」


いい感じの量を与えれた。能力を与えすぎると、刀が耐えれなくなり破壊してしまうから難しいと聞いていたから、今回は運がよかったな。

そして刀をイキってちょっとカッコよくさやに納める。それを麗に見られてしまう。ハズカシー!


「おー!お姉ちゃんカッコいい!まるで剣士みたい!」


「そうか?ありがとうな。」


思ってた反応と違っていたのでビックリしている。カッコいいと言ってくれたのに間違いはないし、感謝しないとな。

僕は、妹の頭をワシャワシャと勢い良く撫でる。


「ヒェッ?!お姉ちゃん?」


「いつも世話になっているお礼だ。さっきも褒めてくれたし。」


麗は恥ずかしそうに顔を赤くしている。可愛いな。


時間はあっという間に過ぎる。気づいたときにはもう出発の時間になっていた。僕は少し早くないか?と思いながらも刀を背負い、バックを持った。


「もうそろそろ行くか。」


「そうだねっ!」


「行ってきます。」 「行ってきます!」

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