エピソード10.5 話し合いの結末(伊藤カイト視点)
「さて、彼女は行ったね!それにしても、あの氷硬すぎでしょ!3組にいるような人じゃないでしょ!あれは2組…いや1組の上位に入れるよ!」
俺は恐怖で目の前にいる彼女を見ることしかできない。
「ん?何?ずっと私を見て。」
「あの、俺たちってどうなるんですか…」
「どうも何も、停学か退学でしょ。本来なら即行で刑務所行きだよ?もしかしたら君たち捕まっちゃうかもね~w」
と蔓延の笑みを浮かばせながら、俺の一番聞きたくない言葉を発した。そして俺の周りの仲間もみんなおびえ始めた。
停学or退学or刑務所、つまりクラスメイトと一緒にいられなくなる。そして授業が遅れ、今度は俺が除け者になってしまう。
「嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!こんなところで俺が止まるわけには…」
「五月蠅いな~。少し黙ろ?」
そういった彼女から何かのオーラみたいな物が出る。何が起こった?!気づいたころには俺達は手や足、首が鎖につながれて自由に動けなくなっていた。
「よし!初めて使ったけど上出来だね!」
「むごむ!むごむごご!」
「あ、そうだった!口解除。」
そう彼女が言った瞬間、俺のみ口だけ動くようになっていた。
「お前!何をした!」
「教えなーい!」
と次の瞬間俺の耳元で彼女が低い声で響かせながら俺に聞かせる
「その小さい脳味噌で考えろよカス。」
彼女から初めて殺意を向けられた。怖い。ただただ怖かった。それでも俺は彼女を見続ける。それしか出来ないのだから。
「んで、一つ質問がある。なんであんな格上に挑んだの?私でも彼女には勝てないのに~。」
「……あいつは能力値F、最弱で能力さえ使えない奴だ。それが気に入らないからぶち殺そうとした。だけど、あいつが女になった瞬間にあいつは強くなった。それを俺らは知らなかったし、呑気にポニーテールなんか結んでやがるからぶち殺そうと思った。」
俺はありのまま話した。嘘は見抜かれる。この人の目は本物だ。俺はこの人さえ敵わないのにあいつがそれより上?ふざけんなよ!そしてまたこの人から質問が来た。
「女になった?前は男で能力値F……もしかして小鳥遊ルイ君?」
「そうだ。ってなんでアイツの名前を?!」
「だから考えろって!言ってんだろ!」
「はい…。」
と黙らされる。それにしても、この人は何でクソザコ陰キャのことを知ってんだ?
「一つだけいい事教えてあげる!私は1年1組 海原 渚!能力値Aだよ~」
は?海原渚ってこの学年最強で有名な?!俺は詰んでるらしい。
「じゃあバイバーイ!あ、呪縛解除しておくね~。えーと解除。」
解除された瞬間、俺達の身は自由に動けるようになった。気づいたころには日も落ちて薄暗い空になっていた。俺達は体を震えさせながら帰路についた。
追記、伊藤カイトの名前を伊藤誠の名で呼んでもらったらさらに面白くなると思います。
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