episode8 能力

教室に入った。何か変わるのだろうかと期待したが、その期待は外れた。

やはり伊藤 カイトは気に食わないらしい。


「お前さぁ、女になったからって調子乗ってるよね?」


「いえ、乘っていません…」


「あ゙ぁ?俺に口答えする気か?死ねぇ!」


と、伊藤 カイトが拳を俺に向け、殴りかかってきた。加減はしていないようだ。伊藤 カイトは能力値がB、当たれば致命傷だろう。

俺はとっさに目をつぶり、反射神経を生かして防御態勢に入った。昔から危険察知と反射神経だけは良くて良かったと思った。そして拳が俺に当たる寸前……!俺から炎のバリアみたいなのが出た。

そして拳は炎に直撃、伊藤 カイトは火傷を負った。


「熱っ!クソ、なんでお前みたいなのがクソ雑魚Fランクが能力を使えるんだよ。」


あ、無能が取れた。


「まぁいい今日の放課後、体育館裏に来い。そこでしっかり分からせてやる。もちろん拒否権はない。」


「……分かった。」


今断ったら絶対別のメンバー、最悪クラス全員でリンチにされる…。なので承諾した。

それにしても目立ちすぎた…こんなつもり無かったのに。目立ってしまってごめんなさいだな………と自分の中で一人反省会をした。


時が過ぎ放課後、俺は指定された体育館裏に来ていた。そこにはやっぱりかと言わんばかりの伊藤 カイトの集団がそこにいた


「お、来た来たクソ雑魚Fランク君w」


「一人で来ちゃったよ~ww」


「能力分かられたら対策だ出来るんだおーwwwお前の頭はくるくるぱーだおww」


ん?いま某サイトのキャラクターがいなかったか?とにかく、いつも通り罵倒される。もう慣れてしまって何も感じなくなってしまった。

罵倒の言葉が飛び交う中、伊藤 カイトの発言で周りが静まり返った。


「んで、昼はよくもやってくれたなぁ、小鳥遊。俺の能力を解禁してお前ブチ殺す。俺の能力は、百発百中(スナイパー)。そして弾丸は火炎耐性をかけてある特殊弾丸を使い、もし着弾した場合だけ爆破するようになっている。お前に勝ち目はない。大人しく死んでもらう。」


とRPG-7,ロケットランチャーを俺に向ける。銃が昔好きだったから分かるんだよな~。って、え?まず何処からそんな武器手に入れたのか……?というか俺今から死ぬじゃん?!昨日、死の覚悟をしすぎて感覚が麻痺しているようだ。


「俺も鬼じゃない、何か最後に言い残すことはないか?」


いや鬼じゃないって、実際殺そうとしてる時点で鬼だけどな…。まぁ最期ぐらいなら抗ってもいいか…。


「ああ、どうせ死ぬならお前らだけには殺されたくなかったなぁ!」


とつい大声で言ってしまう。


「てめぇ…。そんなに嫌なら、ぶち殺してやんよ!」


とロケットランチャーの弾丸が俺に発射された。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る