第14話
ということで、私はコイツにいろいろやらせた。
平民落ちも視野に入れて、街のギルドにちょくちょく顔を出していたから、ウィリアムくんの自己肯定感を爆上げするクエストも、すぐに見つけられることができた。
うん、確信した。
コイツ、チートで主人公だわ。
どんな物語か分からないけど、コイツに嫌われない限り、私の死亡フラグは立つことはない――そう思っていて、雑事に追われていたら、婚約破棄系悪役令嬢断罪フラグである。あと勇者の直系の子孫らしい聖女も登場してきた。
私の悪事が看過できないと言ってきたけど。知らんがな。
「な、なんで、シャーリーはなんにも悪くないのに!」
「あー。全部私のせいにして、ウィルを囲い込みたいんでしょう。同じスライムテイマーがいたとしても、ホーリースライム操れるの君だけだし」
そりゃあ、魔物なんて災害認定。国家予算を組むレベルである。そんな中で中抜きして公金チューチューしたい連中は激怒するし、モンスターテイマー事業も一気に廃業。経済システムの根幹をぶっ壊した上に、この世界における巨大宗教組織にケンカを売ったことを、ウィルはまるで自覚していないのだ。そのせいで確実に何人かは首を吊ってそうだし、想像力が偏っている上で罪悪感もゼロ。サイコパス属性も備えていた無敵の人だったとは、まったくもって予想外。
というか、私の首一つで丸く収まるご都合主義に感謝。
それで家族や職員を亡命させたり、いろいろ手を打って、処刑に臨んだんだけど、まさかウィルがキレて国を亡ぼすなんて予想しなかった。
――チーン。
(※仏壇のアレの音)
これって、私のせいじゃないよね?
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