第29話 ベラージア王国


 ベラージア王国では、イザベラ女王と側近のアンナ・フランクリンがこれからの計画について話していた。


「アンナ、計画は抜かりない?」


「はい。ばっちりでございます。しかし、驚きましたよ。陛下がエレンジア王国に固執せずマリアロ神聖国を裏切ろうとするなんて。」


 イザベラ女王は、マリアロ神聖国を裏切り攻めようとしていたのであった。最初はマリアロ神聖国の属国にいようと思っていたイザベラだったが、マリアロ神聖国の属国の扱いはイザベラの予想以上に酷かった。


「マリアロ神聖国は、私たちに改宗を強制してくるだけじゃなく、エルフ族を奴隷にしようとしているのは我慢ならなかったのよ」


「確かにあれは酷かったですね。しかし、そのおかげであの閉鎖的なエルフ族の方々が協力してくれる事になりましたね」


 閉鎖的なエルフ族はベラージア王国のとある森に住んでいる。しかし、マリアロ神聖国の司教などが奴隷を得る為に森に立ち入り、実際に攫われた事件まで発生したのであった。


 今回に関しては全面的にベラージア王国に協力する事を向こうのほうから申し込んできたのだ。


「兄を殺すよりも大事なのは、エルフ族の繁栄だけですから。今回の侵攻軍の総大将はブリュンヒルト大将に任せれば大丈夫でしょう?」


「そうですね。ブリュンヒルト大将なら必ずマリアロ神聖国を倒してくれる事でしょう。」


 今回、イザベラはベラージア王国に残る決断をしたのであった。イザベラ女王が行なっている内政政策や政治体制の改革は徐々に効果が現れいた。


 文官が足りないベラージア王国では、イザベラに大量の書類がまわっていたのであった。



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