第28話 介入
「陛下、オストマン帝国とランスルフーロ王国がマリアロ神聖国に攻め込んでおります」
「うむ、今はまだ静観しておく。」
ライリーは、一昨年死去したリチャード1世から去年に王位を継承していた。戴冠式では、国外からも来賓が沢山来ており、エレンジア王国の威信を示せた形となった。
今は[暴風]からの報告を聞いているところであった。
「ランスルフーロ王国なのですが、今回の戦争には勇者を投入しており、その為オストマン帝国より速いスピードで侵攻しております。」
「そうか、勇者まで投入しておるか。国の要とも言われている勇者をか。」
今回の戦争では、ライリーはオストマン帝国とランスルフーロ王国から共同での侵攻を持ちかけられていたが、それを拒否していた。
(列強はどこも奴隷制を導入しておる。1番奴隷として人気が高いのは美形が多い我々エルフ族だ。奴隷制を敷いている国とどうやって協力するのか。それならイザベラと協力した方がマシというものだ。まぁ、無理だろうがな。)
ほとんどの人族の国は奴隷制があり、その奴隷のほとんどは他種族であり、中でもエルフ族やドワーフ族が人気である。
ドワーフ族は鍛治や採掘場で働かされるが、エルフ族は性的な面で働かされるのが一般であり、エルフ族は人族を憎んでいる人も多い。
ライリーはその為、奴隷制がある国とは絶対に協力したくないのである。
「いつでも出られるように遠征軍の準備はしとくように命令しておけ。隙を見せた国に食らいついてみせるぞ」
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奴隷制
この大陸では人族の国ではほとんどが奴隷制を導入している。しかも、他種族の奴隷は多く、奴隷狩りという形で他種族の集落が襲われ奴隷にされる事が多発していた。
その為、種族ごとに国を持つ事が種族の悲願としてなっている事が多い。奴隷制のせいで排他的な種族も多く、人族は入れない国が存在する。
エレンジア王国は奴隷制を導入しておらず、それはベラージア王国でも一緒である。
ライリー王は、奴隷制の廃止を強く願っており、廃止にする為なら他国へ侵攻することも構わないと思っている。この事はベラージア王国の討伐よりも時として優先する事をライリーは決めていた。
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