大陸戦乱期

第25話 マリアロ神聖国 

マリアロ神聖国


 ここマリアロ神聖国では、大陸四大宗教の1つリート教の総本山であり、リート教のトップ教皇が支配している国となっている。今の教皇は、第43代目シルヴァリー二世である。


「イザベラ女王のベラージア王国を属国にしてから2年経ったか。そろそろオストマン、ランスルフーロを抑える事はできまいか。」


「はい。残念な事ですが予想通りの結果でしたね。オストマン帝国は、異教の国ですので良いのですが、同じ神を信仰しているランスルフーロと争うのは気が引けますね」


 この男、ヨルネス大司教は悲しげに話していた。ヨルネス大司教と言えば、狂信者として自ら軍を率いて異教の人々を殺しまわっている事で知られていた。

 

 同じリート教の者でも、彼を嫌っている人は多数いた。


「ベラージア王国はイザベラ女王がリート教へと改宗し、民も続々と改宗しておる。あそこは心配しなくても反乱は起きなそうだな。オストマン帝国は海がないからのう。あそこは海を欲しておる。我が国の海をこの機会に手に入れるつもりじゃろ。ランスルフーロ王国は、今の劣勢を取り返したいつもりだろう。」


「はい。急ぎ軍の手配を致します。私も対オストマン帝国の指揮官として帯同いたしましょう。」


 教皇はヨルネス大司教がただ異教の人々を殺したいだけだろうと思っている事を見透かしていた。


 これと同時に、私の後を継ぐのはこの男だけは絶対にダメだと確信していた。


「後、今回使徒は動員しないのでしょうか?」


「使徒は動員しない。使徒を出せば向こうも超人どもを出してくるであろう。それでは出す意味がないのであろう」


 使徒とは人の進化した際、信仰心が高い人が進化する種族であり、平均寿命は300年と人の平均寿命の約5倍となっている。使徒は、1つの事に秀でている傾向にある。


 超人は人の通常進化する場合の種族である。平均寿命は300年と使徒と変わらない。しかし、超人はバランスよく強くなっている傾向にある。


 マリアロ神聖国は使徒12人、オストマン帝国は使徒2人・超人13人、ランスルフーロ王国は超人10人となっている。


 エレンジア王国やベラージア王国は使徒や超人は居なく、エレンジア王国はエルフの進化したハイエルフしかいない。


………………………………………………………


   進化


 この世界の全ての生物が進化できる。人族だと使徒や超人などになり、エルフだとハイエルフになる。


 使徒同士や超人同士が子供を作る時には、極端に出生率が低く、その子供は人間として生まれてくるが基本的な身体能力や魔力に優れている。


 エルフと人間の子供は、ハーフエルフと呼ばれ、進化した際には人間かエルフになる。ハーフエルフは、エルフと人間の能力をどちらも半分にしたような強さになっており、大陸にはハーフエルフの国であるバーラード王国がある。


 


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