第23話 政治改革
ライリーは、強い国を作るために政治改革を始ることにした。
「今までのように大臣などの役職を一定の貴族が独占するのを禁じる事とする。不正や隠蔽などがあった時に独自の捜査や逮捕権を持つ監査局を新たに設置することとする。財務局から造幣局を新たに分離する。エレンジア王国内の経済の状況を詳しく知ることや戸籍の作成の為に経済局を作ることとする。」
ライリーはこのような発表をし、新たに監査局、造幣局、経済局が作られた。
監査局では、会計資料を見て横領などが行われていないかをチェックしたり、不正な昇進がないように見張るのが仕事になっている。
なお、監査局は[暴風]の隠れ蓑にもなっており、彼らが発見した貴族の不正も監査局の手柄と表向きはなっている。
造幣局では、今まで財務局の仕事であった貨幣を作る仕事になっている。財務局では、作りたての貨幣が財務局の幹部によって横領された事もあり、分離する事になった。
経済局では、エレンジア王国内の経済状況や今まで無かった戸籍の作成を担当する事になった。
この大陸のほとんどの国家は人頭税を導入しており、家族の人数によって税金が課せられる。男が1番税金が高くなり、女、老人、子供の順に税金は少なくなっていく。
家族の人数や性別、年齢は自己申告になっており、税金を少なくする為に年齢詐称、性別詐称などが行われていた。これを無くす為に、戸籍を作る事で人口の正確な確認、税金が正しく取れる事になる。
後に、人口が500万人とされていたが、実際の人口は530万人ぐらいだとわかった。
この戸籍作成の為に、経済局では1つ1つの村や町に赴き調査をしていたらしい。
この経済局では、国内で起きた変化や異常への察知が早く、度々ライリーは救われていたのであった。
「今は貴族の力が減少しているからか、反発は少ないがこれからは、少しずつ改革を進めないとな」
「そうですね。今回の件で貴族の方々は苛立っていたようですから、その方がよろしいかと。」
マーチェスは、王宮にいる侍女や門番達などから好かれており、貴族の情報がよく入ってくるのだ。
「そういえば、今日は新しく経済局の局長となるやつが来るんだったな。」
「そろそろ来ると聞いておりますので、少々お待ちください。私は会った事ありますが、殿下が必ず気にいるお方だと思いますよ。」
「マーチェスにそこまで言わせる者か、今から楽しみになってきたな!」
ライリーは、マーチェスにそこまで言わせる人物に興味を持ってはいた。
しかし、これからのエレンジア王国の未来の鍵を握るうちの一つである経済局のトップが務まるかどうかの基準は相当高いがクリア出来るかと心配になっていた。
ーーコンコンーー
どうやら、マーチェスが気にいると思うとまで言わせたその人物が部屋に来たようで会った。
「お初にお目にかかります。商人をやっておりましたワイスベッド・キューパーと申します。」
………………………………………………………
エレンジア王国の税金
エレンジア王国は、人頭税の他にも商人に課される税金や町の出入りでの税金などがある。商人は、商人ギルドに全員登録しなければならなく、戸籍管理は商人ギルドの方でしてあり、バッチリなのであった。
エレンジア王国では、関所というのはあるが、お金を取るためではなく、危険人物が入らないようにするのと、指名手配犯を捕まえる為にある。
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