第18話 ジャルディアンの戦い 開戦前


 少し肌寒くなり始めた頃、このジャルディアンの地で西部の趨勢が決まる戦いが行われようとしていた。


 後世では、王の中の王と呼ばれたライリー王の躍進の始まりと呼ばれる戦いが始まるのであった。


 ヴェルナーは、1万6000の兵を動員し、都市ジャルディアンでの防衛ではなく、その前にある草原での決戦をする事を選択したのである。


(我が軍には、あいつがいるからな。こちらの勝利は確実だ)


 ヴェルナーの軍には、ランスルフーロ軍もおり、兵力の中身は、


中央部

一般兵  7000(剣も持っている)

魔法師 2000


右側

騎兵 3000

弓兵 1000


左側

騎兵 2000

弓兵 1000


 左右に騎兵を配置し、右側の方が1000ほど騎兵が多かった。騎兵が多い理由は、ランスルフーロ王国軍は、騎兵が強い事でも有名で今回の援軍は騎兵を多めに送っていたのであった。


 対するエレンジア王国軍は3万7000と倍以上の兵がいた。


(ここで負けるわけにはいかないな。負ければ、貴族は平気で見限ってくるだろうな)


 エレンジア王国軍


中央部

一般兵  1万(剣も持っている)

魔法師 3000

近衛軍 2000


右側

騎兵 7000

弓兵 5000


左側

騎兵 5000

弓兵 5000


「私がここで全体の指揮を取る。中央はベルガー大将、右をフレジア中将、左にはハーン大将に任せる。貴族といえども、現場の指揮には従ってもらう」


(私は、3人の指揮官に指示を出すだけで良いのだ)


 ライリーは自分が兵士に余計な指示を与えて、混乱するのを嫌がり、大まかな指揮以外は全て3人の指揮官に任せる事にしたのだった。


………………………………………………………


  ジャルディアンの戦い


 平地が多く、周りに森もない為騎兵に有利な戦場になっている。今回のジャルディアンの戦いは別名、禁忌の戦いと呼ばれている。



   ハーン大将(276歳)

 

 西部にいる総指揮官であり大将でもある。

本名はブルーノ・ウィン・ハーン

 騎兵を巧みに用兵するのが上手く、自ら騎馬に乗って、突撃する事もしばしばある。薙刀を振るうと、周りにいる兵は吹っ飛ぶと言われている。馬上での弓の扱いも一級品らしい。

 有名な言葉は、「自分の勘を信じろ。勘に従わないのは、自分の人生を否定する事と同義だ」が残っている。



  フレジア中将(58歳)


 中央部にいる女性の中将である。

本名はフレジア・ウィン・シュバルツ

 名門シュバルツ侯爵の次女であり、巧みな剣捌きで中将まで上り詰めた若き才媛。緻密な指揮により、相手が気づいた時には戦いの趨勢が決まっている事もある。父シュバルツ侯爵は、中央部の元帥として、首都の防衛任務についている。後に、二つ名「鉄壁」を亡きラインフェルト元帥から引き継ぐ。

 有名な言葉は、「戦争とは、小さな積み重ねの上で勝利を手にする事ができる」が残っている。


  

  ベルガー大将(84歳)


 中央部のもう1人の大将であり、最年少の大将でもある。狙った獲物は絶対に逃さないという信条を掲げ、勝つ為には何をしてでも勝ちに行く姿勢に反感を買う事も多い。しかし、最年少での大将となった実力は本物であり、ベルガー大将のランスは、どんなものでも貫くと言われている。

 有名な言葉は、「後ろを振り向くな。振り向く時は、自分が諦めた時だけだ。」が残っている。


 







 



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