第17話 オストマン帝国軍とレオ王子
ダンドリアン平原で負けた後、レオ王子は本拠地ミャンベリーへと戻っていた。
アクロフ中将率いるオストマン帝国軍は、レオ王子についていかずに、オストマン帝国軍とエレンジア王国の国境地帯にある、バルエール地方へと向かったのである。
「アクロフ中将、オストマン帝国へと帰還なさるのですか?」
オストマン帝国軍の兵士は、アクロフ中将の目的を聞かされていなかった。
「違うな。ここバルエール地方を占拠するのが目的だ。これ以上、レオ王子に味方しても旨みはない。それなら、一部でも占拠する方が旨みがあろう?」
アクロフ中将はレオ王子を見限り、オストマン帝国の利益の為に、バルエール地方を占拠しようとしたのである。
オストマン帝国軍はバルエール地方の中心都市へ着くと、兵士達に占領する事を発表し、バルエール地方の実効支配へと移ったのである。
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東部ミャンベリー
ここミャンベリーでは、レオ王子がバルエール地方の報告を聞き、怒りを露わにしていたのである。
「アクロフめ!あのハイエナどもがやってくれたわ!」
ーーパリーンーー
レオ王子は近くにあった壺を地面に向かって投げたのである。
「軍はどれくらいで集められるのだ。」
レオ王子はバルエール地方の奪還をしなければと考えていた。
「それが……国軍の立て直しには早くとも1ヶ月はかかるかと。貴族の方々は西から来るルーカス率いる軍の対応に追われています。」
レオ王子の反乱軍は窮地に陥っていたのであった。
ルーカス大将が率いる軍は次々と領土を奪還していき、その地にいる貴族を捕縛し首都オーエルに送っていたのである。
南部にいる貴族軍はルーカス大将に次々と合流を果たしていき、占領地に置いて行った兵を除いても戦力は12000にまで膨れ上がっている。
この状況下において、レオ王子はまともな判断も下せずにいた。
「なぜだ、なぜこうなるんだ。……俺が負けるとでも言うのか!!いや、そんなはずはない。俺は世界最強なんだぞ。こんなところで終わるわけがないだろ!!」
ーーグシャッーー
レオ王子は死体となった報告兵を見て、他の兵士を呼び出し片付けさせたのであった。
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アクロフ中将によるバルエール地方支配
この出来事はアクロフ中将による独断の行動ではあったが、オストマン帝国内で高く評価され、歴代最小年齢での大将昇格が決まった出来事である。
バルエール地方での支配は、帝国内にいる宮廷貴族であったダルメ伯爵が任された。
このダルメ伯爵の反発によって起こされた事件、「バルエール春革命」は歴史上において重要な出来事になっていくのであった。
バルエール地方
このバルエール地方は、オストマン帝国との国境沿いということもあって、比較的人族の割合が多く、6割となっている。残りの3割がエルフ族で、1割がその他の種族が住んでいる。
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