第16話 ヴェルナー討伐軍
首都オーエルでは、中央部の軍が勢揃いしており、これから西部に向けた反乱軍を鎮圧する為の軍が出発するところであった。
「ルーカス大将は勝ったのだな!よし、これで東部は収まるだろう」
ルーカス大将から伝令が届き、勝利したことを知ったライリーは、自ら軍を率いての西部討伐を始めるであった。
今回の討伐軍では、中央部の国軍残り10000名(近衛軍2000名)のうち5000を連れていく事にしたのであった。
ライリー直属の兵士は近衛軍2000と国軍3000という事になった。この近衛軍は各軍のエリートが集まっており、王国一の軍隊と言っても過言ではないであろう。
貴族軍は合計12000人となっており、反乱軍との国境地帯の貴族を除けば全ての中央部の貴族の軍が集まってきていた。
軍勢17000名による、ヴェルナーの反乱鎮圧軍が動き出したのであった。
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ドラマリ要塞攻防戦からこの日までに情勢は大きく変わっていた。
南部では、中立派は正式に王党派に組む事を宣言したことにより、南部はライリー王太子が全土を支配する事になった。
次に北部では、全ての領土がイザベラによって支配され、イザベラは西部のゴンドリー公爵領に向けて軍を出したのであった。
最後に西部では、エレンジア王国軍1万4000がゴンドリー公爵の軍、7000が合流し、西部バリアル峠で、ランスルフーロ王国軍1万5000と交戦していた。
ランスルフーロ王国軍はゴンドリー公爵領の占領を目指しており、その道中で降参したのであった。
この戦いでは、エレンジア王国軍とゴンドリー公爵軍による待ち伏せによってランスルフーロ王国軍は混乱に陥り、這々の体でヴェルナーが支配する領土へ帰っていたのであった。
この戦いにより、ランスルフーロ王国軍は死者約1800人、負傷者約2500人、捕虜約1900人という大敗北を喫したのであった。
これにより、ゴンドリー公爵軍とエレンジア王国軍は南下を始めていき、次々と占領地を増やしていくのであった。
このような状況の中でのヴェルナー討伐軍であった為、誰もが鎮圧できるだろうと考えていた。
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「ここからが西部か。まずはウェルダン地方の占領をし、ここから西部最大の都市、ジャルディアンへ向かうこととする。」
ウェルダン地方というのは、中央部に隣接している地方であり、ここでは農業が盛んで国内の小麦の生産量の約3割を占める穀倉地帯でもあった。
(ここを取っていれば食糧には困る事はない。この地方を全て掌握した後にジャルディアンへ進むとするか)
このウェルダン地方の掌握に2日かけ、ここまでの道のりと合わせて、一週間と2日経ったのであった。
ここからジャルディアンへの行軍は始まる。
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ウェルダン地方
農業が盛んであり、エレンジア王国内にある穀倉地帯となっている。
ここの地方は中央部と西部を繋げる道の1つでもあり、食糧確保の為な大事な地方である為、ライリーはどうしても欲しかった地方である。
しかし、ヴェルナーはこの地方に守りを置かず、軍を全てジャルディアンへ集めているという報告がライリーに届いていた。
ゴンドリー公爵と連携し、合流してからジャルディアンへ攻撃する事に決まっている。
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