第14話 タンドリアン平原の戦い 開戦前
エレンジア王国軍がドラマリ要塞に向けて進軍している最中、ドラマリ要塞からの兵士と出会った。
そして、報告を聞くと
「そうか………父上は立派な最後を終えたのだな。」
ルーカスは偉大な父の最後を聞き、静かに悲しんでいた。それと同時に父が戦場で死ねて良かったのかもしれないという感情も浮かんでいた。
ルーカスは軍の速度を変える事なく進めた。反乱軍とオストマン帝国軍は3日続いた戦闘で疲労が溜まっていると考えた為であった。
そして攻防戦が終わって次の日、ドラマリ要塞についたのであった。
「なぜ、反乱軍の旗しか掲げられてない?オストマン帝国の旗がないな」
ルーカスは敵が反乱軍の旗しか掲げてないのと、報告で聞いていた敵兵の数より少ない事を不思議に思っていた。
しかし、ルーカスは連日続いた戦闘で敵は疲労しているだろうと考え一万の兵を半分に分けて、2つの方向から攻める事にしたのであった。
「全軍、突撃!」
ルーカスの声と共にエレンジア王国軍はドラマリ要塞を攻めたのであった。
そして、30分後ドラマリ要塞をエレンジア王国軍が奪還した。
しかし、要塞の中には敵兵が200もおらず、撤退した事をルーカスは悟ったのであった。
そこから、ルーカスは敵が撤退したと思われる、ドラマリ要塞から東部へと進軍していく事にした。
この時、ドラマリ要塞にはドラマリ要塞攻防戦から撤退してきた兵を防衛に当てるのであった。
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レオ王子反乱軍とオスマン帝国軍
ドラマリ要塞を占領した後、アクロフ中将はレオ王子と今後の計画を話し合った。
「予想以上に戦略を消耗しております。このままこの要塞に立て籠ってもエレンジア王国軍には勝てないでしょう。」
レオ王子は少し怒った顔をすると、
「ならきさまはどうしたらいいとお考えなのだ?」
アクロフ中将は考えるような表情を浮かべたがすぐに話し始めた。
「この要塞を一旦捨て、タンドリアン平原まで下がりましょう。あそこは平原にしては、横幅が狭いです。敵が数で優っていても互角に戦う事ができます。」
レオ王子は納得したような表情を浮かべると
「確かにそうだな。しかし、この要塞を捨てるのは惜しくないのか?」
「いえ、野戦に勝った後でまた奪い返せば良いのです。ここに200ほど兵士を置いて時間を稼いでいる間、我々はタンドリアン平原でゆっくりと休み、エレンジア王国軍を待ちましょう。」
アクロフ中将の本心は言っている事と違っていた。
(今の士気が下がっている状態ではまともに戦うことなどできんわ。我が軍は、大丈夫だが反乱軍の士気は下がりすぎておる。ここで一旦野戦をしながら上手に撤退するしかないな)
アクロフ中将は、エレンジア王国軍に勝つ事ではなく、いかに損害を出さずに撤退する事が出来るかの思考になっていた。
「よし、今すぐにタンドリアン平原へ向かうとしよう。」
レオ王子は配下へと指示を出し、そのままタンドリアン平原へオストマン帝国軍と共に向かったのであった。
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タンドリアン平原
横幅が狭く森が両側面に広がっており、横に3000ほどしか配置できない。
ルーカス大将によるエレンジア王国軍
騎兵 2000
魔法師 1000
弓兵 3000
歩兵 4000
合計 1万
弓兵の数が多いのは、エルフは弓が得意であり、狙ったところに射つ事ができ、味方を射る事が少ないからである。
レオ王子反乱軍とオストマン帝国軍
騎兵 約500
魔法師 約300
弓兵 約1000
歩兵 約4000
合計 約5800
3日目で、オストマン帝国軍は尋常ではない被害を出しており、戦闘に参加できる兵士が1500ほどしか居なかった。
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タンドリアン平原の地図を近況ノートでご確認ください。
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