第2話 父上との昼食


「父上、遅くなり申し訳ありません。」


「よいよい。今日から執務を手伝うようになったのからな。慣れない事も多いだろうよ。じょじょに慣れていけばいい」


「はい。わかりました」


「うむ。では昼食を食べようかの。」


 リチャード王がそう告げ、料理を口にした事で昼食が始まった。


 今日の食事はライリーとリチャード王の2人だけらしく、時折話すことはあるが、静かな食事となった。



「そういえば、そろそろお前の誕生日が近いのではないか?」


 ライリーはたった今、思い出したような表情で、


「そうですね。今は8月なので、後2ヶ月後ですね。それがどうかされましたか?」


 リチャード王は真剣な表情をし、


「うむ。そろそろ王太子にお前を任命しなければならないと思うての」


「?!………そうですか。未熟な私ですがこの国の為に私の人生を捧げたいと思います。」


「はっはっは!わかっておるわ!お前がこの国を守っていこうとしているのは。……だがな」


 その瞬間、リチャード王の目つきは急に人を射殺すような鋭い目つきをした。ライリーはこれが王としての風格かと思った。


「お前の弟たちに気をつけろよ。あれらはこの国にとって害になるかもしれん。注意して、見とけよ」


 ライリーは少し怒ったような表情で、


「私の弟たちはこの国にとって害になる存在には絶対になりません!!父上といえど、弟たちを侮辱するのは許せませんよ。」


 そう言い、ライリーは料理を食べかけのままその場を去っていった。


「お前の弱点は身内への甘さだな………」


 リチャード王の言葉は小声であったため、ライリーには全く聞き取る事ができなかった。


「はあ〜弟たちは害になる存在ではないと父上にはいつわかってもらえるのだろうか。」


 そこにマーチェスがやってきた。


「ずいぶんと気分が悪いですな、陛下と何かありましたか?」


「うむ。父上が弟たちをこの国にとって害になるかとしれんと言ったのだ。それが許せなくてな」


少し、マーチェスは考えると、


「私も殿下の妹、弟様には、この国に害ある存在だと思いますがな。第二王子、第三王子、第二王女は王の座への野心があるようでございますからな。」


「私が今度王太子になる事が決まったのだ。そのような野心はいづれ消え去るであろうよ。」


「さて、どうでしょうかね〜。とりあえず執務を再開させませんか?」


(マーチェスは弟たちのことは父上と同じ意見か。マーチェスは私の意見に賛成してくれると思ったのだがな……)


「そうだな、執務を再開するか。」


ライリーは 慣れない執務が終わると、グッタリとしながら夕食を食べた後、すぐに寝ることができた。



………………………………………………………


  第3代エレンジア国王

    リチャード・ウィン・エレンジア


 リチャード王は第一王子エレンジアの父親であり、その治世は無難な治世だったと言わざるをえない。二代目から受け継いだ領土を守り続け、外交面で成果を出し、商業国家として国を栄えさせた。だが、子供の教育には、失敗をしたと言っている学者も居れば、成功したと言っている学者も居る。


 




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