ライリー戦記
@soyonasan
内乱編
第1話 第一王子ライリー
このエレンジア王国はライドルト大陸にある中堅国家の1つである。しかし、周りにある3カ国全てが大陸屈指の列強の国々であり、長年3カ国との関係を保ちながら商業国家として栄えている国となっている。
え?なぜこんな国がまだ生き残ってるのかって?そりゃあ、この国を侵略して旨みはあるけど、征服した国を他の2国が黙っていられるか?
この国を征服しようとしたら、他の2国が邪魔しに来るって3国とも分かってんだろうよ。
しかも、3国とも壊滅的にお互いに仲が悪いんだよなあ〜。分け合うって事を知らないからなあの3国は。
てなわけで、この国は今日まで生きながらえてるってわけさ。
うん?私が誰だって?私は、このエレンジア王国第一王子のライリー・ウィン・エレンジアだ。
昨日まで軍に所属していたが、今日から父上の執務を一部手伝う事になっている。
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「殿下!殿下!!話しを聞いていらっしゃいますか??」
ライリーは少し驚いた表情をしたがすぐに元に戻した。
「ん?…すまん。すこし考え事をしていた。」
「はあ〜、しっかりしてくださいよ。殿下が国王陛下の跡をお継ぎになられるのですから。」
ライリーはため息をついた。
「まだ、王太子は決まっていない。跡を継ぐかどうかはまだわからないだろう?」
まだリチャード王は王太子について、何も話していない。
「そうですがねえ〜。ハイエルフに進化された殿下が継がないとは思えないのですよ」
ライリー第一王子に話しかけてきているのは、マーチェスという私の補佐役を務めている。
普段から小言が多く少しうるさいのだが、正論を言ってくるので何も返せていない。
ちなみにハイエルフというのは、ライリー第一王子を含めてこの世界で2人しか確認されていない。
後の1人は、このエレンジア王国の初代国王の事だ。今から400年前に自殺したとのことだ。
享年2000歳を超えていたという長寿の種族がハイエルフというわけだ。
普通のエルフは400年が平均寿命なので、進化するだけで、とてつもない長生きが出来ることは確定している。
しかし、エルフもこの大陸では、長寿の部類に入っている。
「そういえば、これから国王陛下と昼食なのではないでしょうか?」
今日は、リチャード王との昼食が入っており、久しぶりの2人きりでの昼食となっていた。
「そういえばそうだったな。そろそろ切り上げて向かうとしよう。」
この頃のライリーは、これから戦乱の時代になっていくとは夢にも思っていなかった。
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エレンジア王国
列強3カ国に挟まれている国として、これ以上領土を拡げることは不可能とまで言われている、この大陸でとても珍しいエルフが王の国である。
列強3カ国はお互いに仲が悪く、国境沿いでは度々小競り合いが起こっており、商人達や旅人、冒険者達は、エレンジア王国に一旦入国し、そこから他の国に移動するのが一般的だ。
その為、エレンジア王国では、商業が発展していき、陸上の交易国家として、大陸に名を轟かせている。
エレンジア王国は人口約500万人と中堅国の中では中の方ではあるが、エルフがその内300万人を占めており、大陸のエルフの総人口のうち半分ほどである。残りの200万人は様々な人種が入り混じっている。
エルフの中では他の人種ともよく関わる、開放的なエルフと閉鎖的なエルフの2つにエルフはわかれている。
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