第7話 信仰豊かな街へ、出発進行! Part1
ギルドに戻ったハラユキとオリビアは、捕獲したマリリンスをギルドに渡した。
ギルドに戻る途中、マリリンスからクリスタルを手に入れた経緯を聞いてみると、
元々ヒョロガリボディで悩み、森の中で1人で泣いているところを、
魔王からセルリアンブルーのクリスタルを渡され、理想の筋肉を手に入れたとの
ことだった。
「なあ、オリビア。なぜ、魔王はクリスタルをマリリンスに渡したんだろうな?」
「決まっているだろ、そんな事」
「えっ?」
「マリリンスは、魔族とは言え純粋に筋肉を求めていた。その筋肉を求める強い思いが、魔王を引き寄せたのだろう」
「はぁ・・・」
「分かる、分かるぞ!私も昔、誰よりも強くなりたい欲望・・・失礼。
思いが強かった。だからこそ、必死で鍛え、気が付けばA級ライセンスを
ゲットする事も出来た。そう、マリリンスは筋肉を強く求めすぎたゆえ・・・」
その後、オリビアが何故か熱く語っていたが、そこから先は覚えていない。
「お疲れ様です!ハラユキさん、オリビアさん!
ここまでスムーズにクリアして行くなんて、お二人とも凄すぎですよ!!」
「いやぁ、出来すぎな気もするけどね。」
「それでも凄いですよ!このまま順調に行けば、魔王を倒すのも
時間の問題ですね!」
「だといいがな。」
「けど。いつになったら魔王に近づけるの?」
「それは、次のエリア次第になりますね」
次の行き先について、詳しい事を聞いてみた。
すると、次の場所は非公開情報となっており、過去2つのA級クエストを
クリアした冒険者およびパーティーにのみ紹介される案件だった。
「なぜ、ここが非公開情報になっているの?」
「実は、この街は今までと違って、誰でも行ける場所なんです。
特別指定区というわけではありません。これといって、大きな事件も無いのですが」
「どゆこと?」
「実はこの街で、人身売買がされているという情報があるのです。
ただ、その明確な証拠が無いため、正式なクエスト対象となっている
わけではありません。
そこで、今回は調査も兼ねてお願いしたいのです。
この街で、本当に人身売買が行われているのか。
もし情報通りであれば、即時討伐可能とさせていただいております」
「今までとは雰囲気が違うな・・・逆に、証拠が掴めない場合はどうなる?」
「その場合、このクエストは保留となりますので、報酬はかなり少なくなります。
ですが、情報通りでクエストを達成する事が出来れば、
一気に魔王のエリアへ入る事が可能となります。」
「えっ、そうなの?」
「はい。討伐対象であればクリスタルを持っているはずです。
討伐を完了した暁には、必ずクリスタルを持ってきてください。
それが、魔王に近づく一番のカギとなります」
「なるほどな。今回は探偵業も兼ねてのクエストか。
しかも、うまく行けば魔王に一気に近づける。実に面白い!
シューラ、さっそく詳細を教えてくれ。」
「かしこまりました。次の討伐対象予定は、ニケニケという魔族になります。
場所は、シャルゴラドという場所です。」
「どんな街なの?」
「ここは、観光地でも有名で、旅行先としても大人気です。なので、今までのように
特定の方のみ行ける場所というわけではありません。」
「ニケニケとは、どんな奴だ?」
「この街を束ねている宗教団体、ニッケン教のボスです。」
「ニッケン教?」
「はい。この街の人々は、みんなニッケン教を崇拝している街です。
なので、迂闊にニッケン教の事を悪く言うと、大きなトラブルになりかねません。
十分に注意してくださいね。
ニッケン教を悪く言うような事は絶対に言ってはダメですよ!
絶対に言ってはダメですよ!」
「その、前振りみたいなのはやめてくれ・・・」
何か嫌な予感がするが、二人は準備を整え、明日の朝出発する事にした。
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