パンドラの箱……

「社長。開いてはいけないのは、スマホアプリですね」

「別にいいんじゃないか?これで、救われる人がいるんだから……」

「最終的には、不倫させるのが目的だとユーザーにバレてしまえば、このアプリは終わりですよ」

「それまでに離脱する人もいるだろうし……。ランクをあげずに楽しむ人もいるのだから大丈夫だよ」

「社長は、悪い人ですね」

「それで、夫婦がうまくいけばいいんだよ。ただ、最低の一万円でも払い続けたくなる仕掛けはあるよな」

「自分好みに好きだった人を育て上げるからこそ手放せなくなる」


私は、ビルから下を見下ろす。


「だから、再会するとガッカリするんだ」

「データをたくさん集めればこれが本格的に稼働出来ますね」

「必要なのは、自分好みの相手だろ?」


私は、窓際にいる一体の人形に触れる。


「不倫相手は、自分が欲しいと思い続ける相手ではないとね」


ユーザーのデータをもっと手に入れれば、最高の人間これが出来上がるのだ。

これの為に私は脳内不倫アプリを作っただけだ。



そのアプリは開いてはいけない。

人間にとっての最悪を招くものだから……。



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脳内不倫アプリ♡【カクヨムコン応募中】 三愛紫月 @shizuki-r

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