第Ⅰ部・第Ⅰ章『鋼鉄の男の埋められた遺産』
第Ⅰ節『鋼鉄の男』
―――…1946年末、独ソ戦争の後期。
敵臨時首都近郊の敵補給網を寸断すべく、
高度は約3000ft。
「少佐殿、前方にに列車と思しきものを視認。」
…―――獲物だ…!
標的の上空に達したその時、彼らはラダーを踏み込みながら、操縦桿を右手前へ動かし、反転急降下を始めた。
ダイブブレーキを展開し、照準器で狙いを合わせる。
…―――しかし、高度1600ftまで近づいた時。
「Scheiße…!トンネルに入られた…。」
列車がトンネルに隠れてしまったからだ。
「反対側を探すか。」
…だがしかし、トンネルの出口が見つかる事も、列車が再び出てくる事も無かった。
―――6年後…。
ロシア帝國領カザフスタンの大都市、アルマティのとある建物。
自身の執務室で一人、部下からの報告書を読んでいる人物が居た。
大日本帝國陸軍の特務機関である川崎機関の機関長、川崎高治郎大佐である。
「…ドイツは、"見つけた"のか?」
彼はそう呟いた。
部下からの報告書には、
1954年11月。
ロシア國(ドイツの傀儡国)の都市、オレンブルクの南東100kmの所に
かねてより各国が探し求めていた、
"
1946年。第二次モスクワ攻防戦の最中、モスクワ郊外のバラシヴァ駅より一両の列車が出発した。
無線傍受や、戦後の捕虜尋問を経て得た情報によれば、この列車に"
第一章『鋼鉄の男の埋められた遺産』
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