第3話
前世で乙女ゲームをやっていた私。確か、メインヒロインが男キャラと恋に落ちた前提で、ハッピーエンドとバッドエンドがある。悪役令嬢がメインヒロインの邪魔をする。だいたいの話だと、悪役令嬢が邪魔をするかたちになるため破滅。と、私は思い出してはいる。しかし、前世で乙女ゲームをやっていたのに、詳しいことは忘れている私。いかん、今は悪役令嬢である私、ヴィクトリア・ダイヤはおかしなことはできないのだ。えーっと? この乙女ゲームで悪役令嬢は何をやって破滅するんだっけ? 思い出せない。ヤバい。
「あれ? ヴィクトリアじゃん?」
私は声の方を見た。アラン・グレープ、火魔法使いの同い年で12。そもそも、こいつの魔法の爆発で地面に頭を打った私。それによって、私は前世の記憶を取り戻した。感謝していいのやらなんやら複雑。
「なんで草原を歩いているんだ?」
「私はこれから貴族学校に行くんだけど? アランこそ、ここで何をやっているのよ?」
「いや、ヴィクトリアを迎えにいこうかと思ってな?」
あーもー! 破滅を避けたいのに、男キャラが寄ってくる!?
「あらー、私はひとりで貴族学校に行けるからね?」
すると。
「ヴィクトリア! ひとりで貴族学校に行くなんてひどいじゃないか! ん? あれ、アランと二人で何を話しているんだ!?」
と、さっきのジョンがまた現れた。やれやれ、面倒なことになったわ。
「ヴィクトリア! まさか、さっきの言っていた男ってアランのことなのか?」
「は? ジョンは何を急に言い出すのかしら?」
やれやれ、悪役令嬢に転生した私はなんでこんなに男キャラに寄ってこられるのかしら? あれ、そういえば、メインヒロインがまだですけど? まあ、いいや。全力で破滅を避けますからね?
続く
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