第9話

そう思うといても立ってもいられず、つい彼女を抱きしめていた。

「あなたの気持ちはよく分かるわ、私も同じ気持ちだから............」私の言葉を聞いたフォルネウスさんは驚いたように目を見開いていたが、やがて目に涙を浮かべながら、微笑んでくれたのだった。

その後、私たちは協力することを決め、三人で力を合わせながら世界を救うために戦うことになったのである。

しかし、まだ問題は山積みであった。

占い師の言っていた転生者が他にもいるのかどうかということも分からない。

その上、私たちと同じような力を持つ者たちが他にもいるのかもわからない状況だったのだ............。

それでも私たちは、諦めずに活動を続けることにしたのである。

ある日のこと、屋敷の男性から呼び出された私たちは、彼の部屋に集まっていた。

そこで彼は驚くべき事実を語ったのである。

それは、占い師の女性が言っていた他の転生者の正体だった。

なんと、もう一人転生者がいたのである。

その名前はルークと言い、かつて王国の騎士団長を務めていた人物だという.............。

さらに驚くことに、私の故郷の国にいるレオンと知り合いだとかーー。


それを聞いた私たちは大いに喜んだものの、そこで新たな疑問が生まれた。

何故彼が協力してくれることになったのか、ということだ。

しかし、彼は私たちに対して、実は自分も前世の記憶を持っていることを明かしたのである。

さらに、彼が元いた世界での出来事を語り始めたのだった。


ルークの元いた世界では、常に戦争が起こっている時代であり、彼は王国の騎士団長として戦っていたのだが、ある日突然戦争の相手である帝国軍に捕らえられてしまったというのである。

その後彼は帝国の牢獄で責め続けられた結果、精神が崩壊してしまい、いつしか自分自身が何者なのかも分からなくなってしまったのだという.............。

そして気が付いたら、この世界に転生していたというわけだ。

彼は占い師の女性と出会ったことで、自分の記憶を取り戻すことができたのだが、それでもまだ完全ではなかったという。

そこで彼女は彼に協力を求め、共に世界を滅ぼそうと考えていたらしい。

話を聞いた私たちは、驚きつつも納得していた。

何故なら彼の話を聞いている私たち自身も、同じ状況に陥っていたからだ。

つまり、彼らと同じように他の転生者も、同じような目に遭っている可能性が高いということだ。

それなら、一刻も早くその問題を解決する必要があるのではないか.............?と私は考えた。

そこで私は決意を固め、ルークに提案したのである。

私の言葉を聞いて彼は驚いた表情を浮かべていたが、やがて納得したかのように頷いた。

そして私たちは協力して、問題を解決しようと誓ったのである!


その日から私たち四人は、協力しながら様々な困難を乗り越えていった。

時には激しい戦いを繰り広げながらも、私たちは徐々に強くなっていったのである。

中でもルークの活躍ぶりは凄まじかった。

彼は自身の剣技を駆使して、次々と敵を倒していく姿は、まるで鬼神のようであった。

一方で、私も新たな力を手に入れつつあったのだが、まだまだ力不足を感じているところがあった。

そんな時、フォルネウスさんが考えて浮かんだアイディアを提案してきたのである。

それは、世界を救うために特別な儀式を行うことで、私たちの力を一つに合わせるというものだった。

話を聞いた私たちは、興味津々でその提案に賛成し、早速準備に取り掛かることになったのである。果たして、どんな儀式となるのか............?そして、私たちは無事に世界を救えるのだろうか............?

興奮と不安が入り混じる中、ついにその時がやってきた。

フォルネウスさんとルークの協力の元、私たちの力が一つになる瞬間が訪れたのだ。


しかし次の瞬間、予想外の出来事が起きたのである。

何と限界を超えたフォルネウスさんが突然倒れてしまったのだ..........。

彼女の体は全身傷だらけになっており、かなり危険な状態だった。

私はすぐに駆け寄り、彼女を助けようとしたが.............彼女は首を横に振りながら、言ったのである。

彼女の最期の言葉を聞いた瞬間、私の目からは涙が溢れ出していた。

最後に微笑みながら言ったのだった。

「リジーさん達に会えてよかった、本当の家族みたいだった」とーー!

その瞬間、私は悟ったのだった。

彼女が私たちに伝えたかったことは、ただ一つだけなのだと。

この出会いに感謝している、と彼女が心から言いたかったことなのだと。

(私も同じ気持ちよ.............ありがとう)

そう思った私は、泣きながら彼女の手を握りしめた。


..............フォルネウスさんにとって、私たちとの出会いが運命的なものだったかどうかは分からない。

しかし、一つだけ確かなことがあるとすれば、私たちは共に苦難を乗り越えた仲間であり、家族のようなものだったということだ。


そして、フォルネウスさんがこの世を旅立ってから、世界はとてつもなく平和になった。

占い師の女性は、上手く事が進まなかったせいか、ハンカチを握りしめて悔しそうにしていた。

そんな彼女の様子を見ていた私に対して、屋敷の主である男性は優しく声をかけてくれた。

「きっとあなたは正しかったですよ」と...........。

(..............これで良かったんだ)と、私は自分に言い聞かせることに決めたのである。

(きっと私たちの出会いは偶然ではなく、必然だったんだ。フォルネウスさんやルークとの出会いも、占い師の女性との出会いも、今隣にいる彼も、全ては出会うべくして出会ったのだ。)

そして、決意しながら私は歩き出した。

これからも大切な仲間同士として、助け合っていこう、と。


「リジーさん、もう帰っちゃうんですね」

と、屋敷の男性が寂しそうに呟いた。

「うん、本当はもっとここに居たかったんだけど.............、皆が心配しちゃうから」私が言うと、ルークと彼は悲しげな表情を浮かべながらも、頷いてくれた。

私は帰る準備をしながら、心の中で考えていた。(せっかく仲良くなれたのになぁ............)と。

すると突然、彼が私の手を握りしめながら言ってきたのである。

「また、いつでも遊びに来てくださいね!」

その言葉を聞いた瞬間、思わず涙が出そうになったけど、頑張って笑顔を作ったのだった。

「ありがとう!また来るからね!」そう言いながら、私は屋敷を後にしたのだった。

(またね、皆...........。)

と、心の中で呟きながら..............。


それから数日後、国に戻った私はすっかり元気を取り戻していた。

(よし、明日から学園に行かなきゃ...........!久しぶりにアルフェッカとクロネッカーに会えるわ!)そう思うとワクワクが止まらなくて、思わず鼻歌を歌ってしまったほどである。

そんな私の様子を見て、レオンが微笑みながら言った。

「良かったねリジー、楽しい思い出は作れたかい?」

「うん!たくさんあったよ!」と勢いよく答えると、彼はホッとした様子で胸をなでおろしていた。

私は、笑顔でレオンに向き合って言った。

「ありがとう、レオン...........心配してくれて本当に嬉しかったわ!」

すると、彼は照れたように顔を赤くしていたけど、どこか嬉しそうだった。

そんな様子を見ていると、私も嬉しくなってきたのである。

(やっぱりこの国も大好きだなぁ)と心の中で思いながら、その日は眠りについたのだった。



それから数日間は、慌ただしかった。

国王陛下に今回の件について全て報告をすると、訝しげな表情を浮かべていた。

「ふむ............そんなことがあったのか。リジー、よく頑張った」

と労いの言葉をかけてくれたものの、彼はどこか納得していない様子だった。

「とりあえず、こっちでも調べてみようとする。本当にありがとう。」

私は国王陛下に一礼して、部屋を後にした。

(これで良かったんだよね............?)

そう思いながら自分の部屋に戻ると、そこには何故かルークがいたのである。

「リジー!最近ぶりだな!」と嬉しそうな顔で、私に近づいてきた。

私がこの上なく困惑していると、彼は口を開いた。

「王立騎士団の団長として、またこの国に呼び戻されることになってね。」と彼の笑顔は輝いていて、どこか照れくさそうな雰囲気を、漂わせているようにも見えたのである。

それから私たちはお互いの近況を語り合った後、二人で散歩に出かけることにした。

私たちが歩いていると道行く人たちが「リジー様、こんにちは!」と声をかけてくれた。

私が笑顔で手を振っていると、ルークも一緒になって手を振り返してくれていた。

その様子がなんだかおかしくて、思わず笑ってしまったまである。

しばらく歩いた後、私たちは海が見える小高い丘にたどり着いた。

そこで私たちは並んで座って、景色を眺めながら語り合ったのだった。

「あのお屋敷の方は、今どうしてるの?」

と私が尋ねると、ルークは少し悲しそうな表情で答えてくれた。

「なんとかやってるんじゃないかな?少し寂しくなるけどな............」

それを聞いた私は心配になったけど、それ以上は聞かなかった。

ーーまた会えると信じていたから。

その時、突然強い風が吹いてきて髪の毛が乱れた気がしたけど、私は気にせずにそのまま話し続けることにしたのである。

「じゃあ、ルークがこの王国を守り続けてくれてるのね」と言うと彼は微笑みながら頷いた後、真剣な表情になって私を見つめてきたのである。

そして彼は、ゆっくりと私の手を握りしめてから口を開いたのである。

「リジー.............俺はもう二度と、フォルネウスのように誰かを失いたくない。絶対に皆の笑顔を守り続けると誓う。」そう言った彼の瞳はとても力強く、そして優しさに溢れていた。

ルークの言葉を聞いた私は胸が熱くなって、笑顔を作ったのである。

「ありがとう.............!」

その一言を口にするのが、精一杯だった。

それからしばらくの間、私たちは黙ったまま景色を眺めていた。

(彼がいる限り、この国は大丈夫だ)と心の中で思った。

そして私は学園に帰還したが、そこで待ち受けていたのは、多くの人々から祝福の言葉だった。

「リジー嬢、おかえりなさい!!」

皆は私の無事を喜び、盛大に祝ってくれたのである。

私は嬉しさのあまり泣き出してしまったが、皆が優しく慰めてくれたおかげで、心が落ち着いたのだった。

(本当に、素敵な人たちに囲まれているんだなぁ..............)と改めて実感することができた。


「ねえリジー、遠くの街に行ったって本当?何かあった?」

きらきらと目を輝かせたアルフェッカが、聞いてきた。

「えっ?どうして?」

私が聞き返すと、彼女はうきうきした表情で言った。

「だってリジー、いつも色んな街に行ってるじゃない!!今回も何かあったんでしょ?」

私はしばらく悩んだ末に、答えたのである。

占い師の女性と出会って不思議な体験をしたこと、............そして、皆と力を合わせて世界を守ったこと。

アルフェッカは最後まで聞くと、まるで信じられないと今にも言いそうな目をしていた。

「そんなことがあったの!?すごいじゃない!!それで、その後はどうなったの?気になるわ!」と興味津々な様子で聞いてきたので、私は詳しく話すことにした。

フォルネウスさんやルークとの出会い、そして屋敷での出来事を全部話すと、アルフェッカは驚いた表情をしていたものの、すぐに笑顔になった。

「なんだかすごくロマンチックな話ね!私も行ってみたい!」

その後私たちは笑い合いながら次の授業へ向かう途中だったが、ふとアルフェッカに聞きたかったことがあることを思い出した。

「そうだ、アルフェッカはクロネッカーと何かなかったの?」

と尋ねると、彼女の肩が大げさに揺れた。

そして首を傾げながらも、答えてくれた。

「へっ?えっっ、特に何もっ.............、どうしてそんなこと聞くの?」

「いや、なんとなく気になって.............」

私が曖昧な返事をすると、彼女はあたふたしながら笑って言った。

「も、もうっリジーってば!」

(この反応.............絶対何かあったよね。)と私は少し不安になったが、それ以上は聞かなかった。


そしてその後の授業も順調に進み、放課後を迎えた私は、家へ帰ることにしたのだった。

(今日も楽しかったなぁ..............。)

そう思いながら歩いていると、後ろから声をかけられたのである。

振り返ると、そこにはクロネッカーがいた。

「リジー、ちょっと待って」

「クロネッカー!どうしたの?」と私が尋ねると、彼は少し恥ずかしそうにしながら、答えてくれた。

「あのさっ今日時間ある?良かったら一緒にどこか行かない?話したいことがあるんだ」

突然の誘いに驚きながらも、私は断る理由もなく返事をしたのである。

「もちろん!」と答えた瞬間、彼の顔がパッと明るくなって嬉しそうな表情が浮かんだ。

「ありがとう!じゃあ早速行こうか!」と言って歩き出した彼に連れられて、私たちは街へ向かったのだった。


(一体何の話だろう..............?)

期待と不安が入り交じりながらも、私は彼との時間を過ごすことになったのである。


私たちはおしゃれな馴染みのカフェに入った。

カフェは美しい装飾が施されており、穏やかな雰囲気に包まれていた。

窓から見える景色は美しく、行き交う人々の姿も活気に満ち溢れていた。

窓際の席に座り、私たちは注文を終えると早速本題に入った。

「実は最近色々あってさ.............リジーに聞いてほしいことがあるんだ」と、彼は真剣な表情で切り出したのである。

私は彼の言葉に頷いた後、静かに彼の話に耳を傾けることにした。

すると、クロネッカーは突然語り始めたのである。それはアルフェッカについてのことだった。

「僕は............、彼女のことをどう思っているのかわからないんだ。」と、彼は自分の気持ちを打ち明けてくれたのである。

私は驚きながらも、続けて彼の話を静かに聞くことにした。

そして、彼は悩みながらも話してくれた。

「実は、最近アルフェッカのことを見ていると、なぜか胸が苦しくなるんだ..............」と彼は辛そうな表情で、教えてくれたのである。

そんな彼の言葉を聞いた瞬間、私まで切なくなってきた気がした。

(クロネッカーが言うそれって、恋なんじゃないの..............?)と考えながら、私はクロネッカーの話を黙って聞いていたのである。

やがて話は終わりを迎えたのか、彼は最後にこう言い残した。

「リジーには迷惑ばかりかけちゃってごめんね」

という言葉に胸が痛んだが、私は笑顔で答えた。

「大丈夫だよ。何かあったらまた相談してね!」と言って励ますと、彼は嬉しそうに微笑んでいた。

それにしても、クロネッカーは自覚が無いみたいだ。

だから、私はなんとなく質問をしてみた。

「................ねえクロネッカー、もし彼女が他の男性と仲良くしていたら、あなたはどう思う?」


すると彼は、しばらく考え込んでいたが、やがて答えてくれたのである。

「正直言うとさ、ちょっと嫉妬するかな............」と言ったクロネッカーの顔は、少し赤くなっていた。

そんな様子を見ていると、彼が本気でアルフェッカのことを好きなことが、伝わってきたような気がしたのだった。

(頑張れ!クロネッカー...........!)と心の中で応援しながら、その日は解散をして、私は帰路についたのである。


それから、数日後のことだった。

久しぶりに学園に来た私を待っていたのは、衝撃的な出来事であった。

なんと、アルフェッカがクロネッカーと喧嘩をしてしまったというのだ。

「何で?」と驚きを隠せず思わず尋ねると、彼女はため息をつきながら、答えてくれたのである。

「実は彼、色々な方に優しいの.............とても良いことなんだけれど、それで嫉妬しちゃって............」

それを聞いた瞬間、私は不意に微笑んでしまった。(まさかそんなことがあったなんて...........、でもアルフェッカも可愛いなぁ)と思いながらも、クロネッカーにも話を聞くことにした。

すると、彼は悲しそうな表情を浮かべながらも、教えてくれたのだった。

「実はさ、僕が他の女性と仲良くしてたら、彼女が怒ってしまったみたいでさ............」と言う彼の声は弱々しくて心配になったが、彼の方はまだ大丈夫そうだと思ったので、ほっと胸を撫で下ろしたのであった。

そしてその後の授業も順調に進み、放課後を迎えた私は家に帰ることにした。



家に帰ると、すぐにベッドに横たわった私だったが、なかなか寝付くことができずにいた。

(アルフェッカとクロネッカー、2人とも大丈夫かな...........できれば仲直りしてほしいなぁ.........。)と心配していると、突然ドアをノックする音が聞こえてきた。

開けてみると、そこにはクロネッカーが立っていたのだ。

「リジー!ちょっといいかな?」と言って私の部屋に入ってきた彼は、どこか元気がなさそうに見えた。

そして彼は話し始めたのである。

「実は僕、アルフェッカに振られたみたいなんだ.............」と言う彼の声は震えていて、今にも泣き出しそうになっていた。

(えっ!?まさかの逆転...........?)と驚きながらも、私は静かに耳を傾けていたのである。

すると、彼は続けて話してくれたのだ。

「実は今日、アルフェッカと会う約束をしていたんだけど、彼女から突然『ごめんなさい』って連絡が来たんだ.........こんなこと、今まではなくて.........」と言って、悲しそうな表情を浮かべていた。

(えっ?アルフェッカはクロネッカーのこと好きだったんじゃなかったっけ............デートをキャンセルするなんて...........、余程嫉妬しているのかしら.........?)と思いながらも、私は何も言わずに聞いていた。

彼は思い切ったように続けたのである。

「僕、もう彼女に会えないのかな?」と言う彼の言葉に胸が痛んだが、私は黙って話を聞いていた。

「ごめんねリジー、こんな話をしてさ」

(なんとかしてあげたい...........)と思い、私は彼に励ましの言葉を送る。

すると、彼は少し元気を取り戻したのか、笑顔を見せてくれたのだった。



そして次の日もクロネッカーの様子は落ち込んでいたが、時間が経つにつれて落ち着きを取り戻してきたようだった。

しかし、まだ完全に立ち直ったわけではないようで、時折寂しそうな表情をしていることが見て取れたのである。


そして、今日もまたクロネッカーから相談を受けたのだが、その内容が驚くべきものだったのだ。

何があったのか質問すると、彼は少しずつ説明してくれたのである

「実は昨日メールがきてさ...........」と話すクロネッカーの顔は暗く沈んでいた。

「それでどうしたの?」と聞くと、彼は辛そうな表情を浮かべながら答えたのだった。

「実は、アルフェッカを人質に脅迫のメールが届いてさ」と言った瞬間、私は言葉を失ってしまったのである。

まさかそんなことになっていたなんて..........そして、クロネッカーは続けて話してくれた。

「昨日の夜、アルフェッカから連絡が来て、誰かにつけられてるみたいってメッセージが入ったんだ」と言う彼の言葉に、私は息を飲んだ。

こんなにも恐ろしいことが起きているなんて、思わなかったのである..........。

そしてクロネッカーはさらに話を続けた。

「でも僕は怖くて何もできなかった........だってもしアルフェッカに何かがあったらって思うと.........」と話した瞬間に、彼は泣き出してしまった。 私は彼に寄り添うようにして励ましたが、彼の目は涙で潤んでいたのだった。

「本当に1人で抱え込んで大変だったんだね、クロネッカーは.........。伝えてくれて、ありがとう」と言いながら、私は彼の涙が止まるまで支え続けたのである。

しばらくして落ち着きを取り戻したクロネッカーに、私はこれからどうする予定なのかを尋ねた。

彼は少し悩んだ後、こう答えたのだった。

「まずは騎士団に相談してみようかと思ってる、護衛を頼もうかなって」と言ったところで、再び涙が流れそうになった彼の目からは、悲しみが感じられたのだ。

私は優しく慰めるように、声をかけ続けたのであった。

その後、アルフェッカの安否を確認するため彼女の家に向かった私だったが、そこには誰もいなかったのである。

(え............、いない?どこに行ったんだろう............?)と心配になっていると、突然私の携帯が鳴った。クロネッカーからの着信であった。

「リジー!今どこにいる?」というクロネッカーの声は、かなり慌てていた。

私は電話越しに聞こえる彼の声を聞きながら、返事をしたが、その声色から彼が焦っていることを感じ取ったのである。

(何かあったんだ..............)と思いながら私は答えたのであった。「アルフェッカの家に来たんだけど、誰もいないの!」と答えた私に対して、クロネッカーは言った。

「アルフェッカの居場所が、分かったかもしれないんだ!」と言う彼の言葉を聞いた瞬間、私は驚いた。

そして彼は続けて言ったのである。

「実は、アルフェッカの居場所を突き止める方法が、一つだけあるかもしれないんだ」というクロネッカーの言葉に私は息を飲んだ。

一体どんな方法なんだろうとドキドキしていると、クロネッカーは衝撃的な言葉を発したのだ。

それは...........「僕が、メールの張本人に直接会いに行くしかないんだ..........」ということだった。

(えっ!?まさか........直接会うつもりなの!?それは危険すぎるわ.........!!)と驚いたが、彼ならやりかねないと思った私であった。


その後私たちは相談を始めたが、結局最終的には彼がメールの送り主に会いに行くことに決まったのである。

応援で騎士団長であるルークを連れ、外に怪しい者がいないか、厳重な見張りとして来てもらうことにした。

そして、私たちはアルフェッカの居場所が特定されたという地点へ急行したのだった............!

アルフェッカを救い出すため、私たちはその場所へ向かった。

そして、ついに彼女がいるであろう場所を突き止めた時には、既に遅かった。

彼女は既に意識を失っており、犯人と思われる人物の姿も見当たらない状況だったのである。

(どうしよう...........このままではアルフェッカが............!!)と思いながらも必死に手がかりを探していた時、突然クロネッカーが声を上げたのだ。「これは..........メッセージだ.........!」と言った次の瞬間、目の前に現れたホログラムには文字が浮かび上がっていたのだった...........。

その内容を見た私たちは、言葉を失ってしまったが、すぐに行動を開始したのである。


そんなこんなで、ルークが見張りをしていたら周囲に怪しい者がいたので尋問すると、犯人はなんとクラスメイトの男子だったことが判明した。

そして、ついに私たちはアルフェッカを救うことができたのだ。

アルフェッカが目を覚ました瞬間、彼女は不思議そうな表情を浮かべていた。

「どうしてあなたたちが............?」という彼女の問いに対して、クロネッカーは笑顔で答えた。

「僕が君のことを助けるって決めたんだ」と言った彼の言葉に、アルフェッカは事態がよくわかっていなかったが、感動したようだった。

その後、私たちは騎士団本部へ帰る前に、カフェに立ち寄ることにした。

そこで、アルフェッカは優しく微笑みかけてから口を開いた。

「2人とも、助けてくれてありがとう!本当に感謝しているわ!」と言うと、クロネッカーも笑顔で答えた。

「アルフェッカが無事でよかったよ」と答えた彼の表情からはわ安堵と喜びが溢れているように見えたのだった。

その後私たちは楽しくお喋りをした後で、騎士団本部に報告に戻ったのだが、この事件をきっかけに二人の絆はさらに深まったような気がした。

(よかったわ、何はともあれ二人が仲良くなって嬉しい!)と思いながら、私は心の中で彼らを祝福していたのだった。

事件から数日後、アルフェッカの無事を祝うパーティーが行われた。

美味しい食事に手をつけながら2人の様子を見ていると、そこではクロネッカーとアルフェッカが仲良さそうに会話をしていた。

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