コンビニで売っている美少女
夕日ゆうや
美少女コーナー
手軽に恋人を作ろうキャンペーン?
バカにして。
政府の少子化対策として、女の子を売り出すという馬鹿げた行為に及んだ為政者たち。
それにこびへつらう国民もそうだ。
みんなバカにしている。
事実、俺の妹は安値で売られ、コンビニの商品棚に飾られた。
買い手がつき、キモいオヤジを義兄にしなくちゃいけない。
俺は寒い懐でコンビニによる。
目的は明日の飯だ。
並べられている女子のパッケージからは逃げるようにして離れ、反対側にある弁当や握り飯のあるコーナーへ向かう。
少ない小銭で握り飯を一つ買う。
と帰り際に微笑んでくれる女子が一人。
六十万円という値札のついた彼女。
決して高くない値段。
可愛いのに、なぜそんな値段を?
きっと性格が悪いのだろう。
じーっと見つめてくる彼女を見て、ハッとする。
俺の幼馴染みじゃないか。
こうして陳列されているのが酷く可哀想に思えた。
俺は帰りに彼女を手にすると、レジまで持って行く。
「デビットカードで」
俺は預金のほとんどを使い、彼女を買った。
「わたしを買ってくれて、ありがとうございます。ご主人様」
歪んだ世界を変えるには、もっと金がいるな。
こんな倫理観は間違っている。それを悪と断ずることもできない国民も間違っている。
コンビニで売っている美少女 夕日ゆうや @PT03wing
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます