爽やかな秋晴れの日に、いつもと同じ
見慣れた道を犬を連れて歩く。
この町も開発の波が押し寄せて来るが、
森の中の神社の佇まいは変わらない。
長いながい石段を昇って社殿に入ろうか。
否、犬は獣だ。入ってはいけないだろうか
…そんな事を思いながら、石段の傍に
腰掛ける。
そこで見たものとは。
古の頃からずっと在り続けるものは、
確かにあるのだ。
派手な怪異やお化けや呪いは存在しない
只、そこにあり得ないものを見た。
本当にあった不思議な話。
何度も読むうちに様々な景色が見えて
来るだろう。
爽やかな秋に至る頃の、話。