第25話 白いモフモフ

 時間は有限だ。どうにか話を戻して続きを話そう。


「それでさぁ、吉からは何か話す事はないの?今まで余り突っ込まない様にしてたんだけど、そろそろ潮時だよね?」


「え?何かって??」


「うーん…なんかね、俺の前に出てきた頃からなんと無く感じていたんだけど、隠したい触れないで欲しいオーラが。でも、そろそろ吐いちゃいなよ、楽になろうよ。」


「キャラ変わっちゃってるよ」


『こういう所を祝寿吉さんは言ってたんでしょうね。確かに厳しいというかもはや怖いです。』



 ふーぅー・・・・大きく息を吐いて祝寿吉が話始める。


『優弦さんの事だからバレてるとは思っていたんですが、確かに潮時ですね。

 白状します。僕は大昔に優弦さんの祖先の方に助けられたことがあるみたいです。

 なぜ、なのかと言うと僕自身の記憶なのかが明白でないと言うか・・・』


 祝寿吉が言葉に詰まった瞬間、ぶわっと鳥肌が立つと同時に


「っえ???祝寿吉・・・その姿・・・」


『え??なにこれ???・・・っあ、記憶が全部戻ってきたみたいです。』


『祝寿吉さん大丈夫ですか?落ち着いたらで良いので、話して頂けますか?』


「と、取り合えず図書館から出よう。あ!いつもの公園行こうよ。」


 全員が混乱している中、美月の提案で場所を移すことになった。



 公園とは言っても遊具があるわけでは無いので、相変わらず人は少ない。


「寒くなってきたから、ここで話すのも限界かもね。友達にも聞いて新しい場所開拓しとくね。」


「友達かぁ・・・俺は友達に見られても大丈夫だけど美月さんはまずくない?女子高生の勢いってすごいよね。」


「あぁ、そっちの学校でもやっぱり女子ってそういう感じ?」


「どこの学校でも一緒だと思うよ。なんか・・・集まるとより強くなる感じ。・・・キングなんちゃら?」


「優弦さんの口からゲームの話が出るとは思わなかったけど、私もナンチャラだと思われていたのかと思うと、複雑。」


「まぁ、最初はね。探していたとは言え、うさ耳付いてる女子高生&兎の組み合わせってなかなかのインパクトだよ。」


「納得です。そして、友達に聞くのは参考程度にしておきます。」


「そうした方が身のためだと思う。さて、2人共お待たせ」


 オレンジの兎と真っ白なタヌキを呼び出す。


 場所を移し話をしたかった事。図書館での会話中、祝寿吉が真っ白な毛並みになったと同時に記憶を思い出したのだった。


「まだ見慣れないな。取り合えず、吉であってるんだよね?」


『はい、僕自身は変わってないんです。変わった事と言えば見た目と記憶がはっきりした事だけです。』


『だけというには、大きな変化ですね。少し落ち着きましたか?』




「ごめん、やっぱり少しだけモフモフさせて!!」


 美月がホクホクしながらモフモフしている。


「ありがとう。満月とはまた違った感じでモフモフでした。」


 よくわからない感想をのべている。

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